「ザリガニの鳴くところ」に見る〝生き抜く強さ〟
「ザリガニの鳴くところ」と聞いて、すぐに「あのミステリーね…」とか「あの映画ね…」とピンと来たなら猫愛好家以上に読書家であるか映画ファンかもしれません。(※原作は全世界で累計1500万部を売り上げたそうです)
舞台は米ノースカロライナ州の湿地帯。金持ちの青年が変死体となって発見されたところから始まるミステリーで、当然「犯人は誰か?」もテーマのひとつではあります。
【「誰が犯人か」以上に「殺人」をどう捉えるかの新たな視点】
以下、若干の「ネタバレあり」で話を進めますが、容疑者として浮上したのは〝湿原の娘〟としてよそ者扱いされて育ったひとりの女性であり、6歳の時に両親に捨てられて以来、この湿原でひとりで生き抜いてきました。(※逮捕・起訴されるもの裁判は無罪評決を勝ち取ります)
誰が犯人であったかは、この女性が一生を閉じた後、夫(高校生の知り合った知り合った心優しい青年)が彼女の日記を見つけて明らかになるわけですが、そこにこそこの作品が持つ大きな視点がありました。
殺人を肯定するものでは決してありませんが、それでも納得させられてしまう〝伏線〟が随所にちりばめられ、最後の最後、それを一挙に回収する筋立ては圧巻でした。
【動物としての、生物としての「生き抜く強さ」を持つ】
誤解を恐れずに言えば、それは究極の「強さ」あるいは「生き抜く強さ」を持つことの重要性でしょう。
人として考えてしまうからあれこれ思い悩み、いじめや嫌がらせ、ハラスメントに屈してしまいそうになったり、泣き寝入りしてしまったりするのではないかと思いました。
そうではなくて、主人公の女性のようにもっとずっとずっと大きな枠組み、動物としての、生物としての「生き抜く強さ」という面で、自分に降りかかる全てを何がなんでも撥ね除ける(理性的ではなく本能的に)ことの必要性と重要性を突き付けられたような気がするのです。
【小さな趣味の世界でいじめ・嫌がらせを撥ね除ける強さ】
猫界という小さな趣味の世界も、依怙贔屓や差別、いじめ・いやがらせ・ハラスメントが蔓延り、同調圧力がかかり、〝魔女狩り〟さながらの出来事も起きるわけですが、決して屈してほしくはありません。
自然界の摂理というか、動物的本能というか、そういうものを自分の中で駆り立てて抗ってほしいと思います。
大湿原でひとりで生き抜いてきた女性だけが持てる特別な能力なのかもしれませんが、被食者が捕食者を襲い葬り去るほどの「強さ」について考えさせられました。
※「Savannah(SV)セミナーおさらい」は休みました。
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◆新型コロナウイルス感染症の「5類移行」に伴い、これまでの「全数把握」による毎日の感染者数の発表は5月8日(月)が最後となり、今後は全国5000の医療機関からの報告をもとに公表する「定点把握」に変わりました。