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2020年2月 2日 (日)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える⑨

TICAのルールとして変更すべき点はないでしょうか。

ひとつは、この連載の初めの方でも触れましたが、「Transfer」についての対応手続きについてShow Ruleでも規定しておくべきだろうと思います。

「Clerking Program」の「CLERKING MANUAL」で、「54.2 During the Show」の中に含まれていますが、今回の【サンプル事例】のケースのように、ショー終了後のケースも含めて記載しておく必要があるように感じます。

もうひとつは「Cat count」についてです。

「クラスTransfer」の場合、間違ったクラスでの審査の「Cat count」から除いた方がいいのではないかという意見もあるかと思います。

ただ、その場合、除くだけならいいとしても、今回の【サンプル事例】のケースのように、カウントによってファイナル表彰数も変わってくるわけです。

今回のケースで、「25」が「24」になるとした場合、10位でファインルインした猫の表彰もなかったことにするとなると抵抗が大きいでしょう。

ショーの後日に「クラスTransfer」が発覚したとしても「Cat count」は変えない方が合理的根拠があると言えるかと思います。

繰り返しになりますが、「クラスTransfer」が発覚したとしても「Cat count」は変えない方がいい以上、「得した」猫(出陳者)と「損した」猫(出陳者)が出てくるわけですから、間違った「クラス」で審査されることがあってはならず、出陳者はその点を肝に銘じる必要があると言えます。

2020年2月 1日 (土)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える⑧

今回の【サンプル事例】はショー当日夜に分かったという仮定ですが、これが何か月も後になって分かったという場合はどうなるでしょうか。

その後もショーに出す中で、エントリーフォームを書く際に、間違っていたことに後になって分かったというケースもあるでしょう。

そうなってくると、完全に出陳者個人の責任において訂正作業をすることになります。(※敢えて訂正しないという選択肢がないわけではありません)

ルールのおさらいになりますが、その際はStanding Rule 601.2.17 に基づいて進めます。

601.2.17 The cutoff date for scoring corrections from exhibitors is May 7th. Any corrections including corrections/additions/deletions of suffixes must be received from exhibitors in the Executive Office in writing by May 7th.

ただし、この規定は自身の猫の「scoring」に関わる訂正であって、「scoring」に関わらない訂正は関係ないと考えることも可能です。

とはいえ、後々になって誰かが見付けて大騒ぎになるよりも、間違いに気付いたら訂正しておくことが出陳者としての道義的な「義務」であり、リスクマネジメント的にも望まれるでしょう。

ここまで解説してきたように、成績次第では他の猫やTICAのRankingにも影響を与えかねないわけです。

どこかのクラブに所属しているなら、クラブの問題になりかねないとも言えませんので注意が必要と言えます。

2020年1月31日 (金)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える⑦

Award表彰に向けて走っている猫(あるいはオーナー)であれば、最後の最後で1点に笑い、1点に泣くことがあるのは十分に分かっているかと思います。

ファイナル順位もさることながら、「Cat count」も積み重なればバカにできません。

仮に8リングのショーで全てファイナルインしていれば、「Cat count」の1匹の違いによって合計8点、10リングのショーで全てファイナルインしていれば合計10点の差が出てきます。

今回のケースを当て嵌めれば、「キツン」クラスでファイナルインした子猫で言えば「お得」になり、「キャッツ」クラスでファイナルインした猫で言えば「損」したということになります。

一方、「タイトル」という角度から見れば、「キャッツ」クラスでは「お得」になった猫がいたかもしれません。

本来なら「キャッツ」クラスで審査され、カラークラスとディビジョンクラスの両方で競合するはずだったはずが、間違って「キツン」クラスで審査されたと考えられるからです。

当然、強い猫(成績のいい猫)であればあるほど、影響を与える度合いは大きく、そうでなければ小さいと言えます。

さらに、こうした結果、世界のTICA Rankingにも影響を与えることにも思い至ることが必要でしょう。

それが国際団体であるTICAのメンバーであり、TICAのショーに出陳するということの「権利と義務」の「義務」の側面であるわけです。

2020年1月30日 (木)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える⑥

この出陳者が間違えずに「チャンピオンシップ」で審査を受けていれば、「チャンピオンシップ」クラスはどうなっていたでしょうか。

①キャッツのカウントは21になっていたはずであり、

②ファイナル表彰は「トップ6」となっていたことになり、

③この猫がファイナル表彰に入ってくれば、ファイナルの順位も変わってきました。

特にこの場合、②の影響は大きいでしょう。

ファイナル入りを逃した猫(6位の猫)が出てしまったわけです。(※もちろん、どの猫かはJudgeのみぞ知る…ですが)

また、③に関しては、「キツン」クラスと「キャッツ」クラスでは、クラスが違うので同様の成績が期待できるわけではありませんが、今回の【サンプル事例】では「キツン」クラスで全リング「ベスト」と仮定しましたから、「キャッツ」クラスでも「ボトム5」かもしれませんがファイナルに入る可能性は高いと言えるかもしれません。

つまり、「Transfer」前のクラスと、「Transfer」後のクラスの両方に大きな影響を与える可能性があるというわけです。

だからこそ、クラブもShow Committeeもクラークも細心の注意を払うのです。

2020年1月29日 (水)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える⑤

ショーの時間内の出来事であれば、Transferされた猫は新しいクラスで審査されることになりますが、今回の【サンプル事例】だと、全ての審査が間違ったクラスで審査され、正しいクラスで審査されることはできなかったということになります。

従って、チャンピオンシップクラスの成績に何の影響も与えることはありません。

ここまではあくまで明文化されたTICAのルールに則ってのことですので、Show Rule 29.1.1で規定された少なくとも5人のShow Committeeメンバー、Judge、正式なクラークは心得ておかねばならない基本的なルールと言えるでしょう。

そこで、次に「出陳者」の立場という角度から考えたいと思います。

【サンプル事例】に次のような具体的なケースを加えます。

誕生日を間違えて「キツン」クラスで審査された子猫は、全てのリングで「ベスト」だったとします。

これまで解説してきたように、「the class may not be reopened」ですから一般審査/ファイナル審査とも変わることはありません。

しかし、この出陳者が間違えずに「チャンピオンシップ」で審査を受けていればどうなっていたでしょうか。

①キツンのカウントは24になっていたはずであり、

②ファイナル表彰は「トップ9」となっていたことになり、

③2位から10位までの子猫は1位から9位になっていたことになります。

今回の【サンプル事例】はある意味、極端なケースを想定していますが、単に出陳者個人の勘違いや思い込みであったとしても、これだけの影響を与えることになるという自覚を持つことは必要だということになります。

2020年1月28日 (火)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える④

ここまではあくまで既存のRuleとManualに基づいて、一番自然で合理的な解釈に基づいて話を進めてきました。

しかし、TICA本部やBoardの「裁量権」という角度を加えて見ると、また別の結論を導くことも可能です。

昨日も触れましたが、「the class may not be reopened」という規定はCLERKING MANUALに記載しているのであって「Ruleではない」、ゆえに「Ruleで規定されていないことであり、TICA本部の裁量で判断できる」という解釈も不可能ではありません。

また一方で、たとえRuleとManualで規定されていたとしても、Boardの決議によってその規定を覆すことができますから(※覆すことが可能か不可能かを論じているのであって、Board決議によって覆すことが良いか悪いかの判断をしている訳ではありません)、ファイナルの順位を繰り上げることは不可能ではありません。

ただ、その場合は、TICA本部においても、Boardにおいても、どうしてそのような判断をしたのか、どうして裁量権の逸脱とはならないと言えるのかーーなどについて、透明性の高いやり方で説明責任を果たす必要が出てきます。

何らかの形でTICA本部やBoardが裁量権を使って新たに何かを決めたということであるなら、今後は裁量権を敢えて使わなくても手続き的にそうなるようにルールを改めなければなりません。

というのも、昨日の例で分かるように、もしかしたら6~10位の猫の中に、TICA本部関係者やBoard Memberの懇意なブリーダーの猫が入っていて1つでも順位を上げたいとか、あるいはこれ幸いとクラブ員の猫を何とか10位でもファイナルに滑り込ませるような場合、恣意的な裁量権の行使になってしまう恐れがあるからです。

仮にそうした裏事情がなかったとしても、「李下に冠を正さず」「瓜田に沓を入れず」が大切なわけですから、ルールとして明確化しておくことが求められるということになります。

2020年1月27日 (月)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える③

ここまで【サンプル事例】で敢えて触れていないことがありました。

それは、この猫がファイナルインしたかどうかです。

仮にファイナルインしていたとすると、関心は「Transferによってファイナルの順位が変わるのかどうか」ということになります。

キツンのCat countは25としていましたから、「トップ10」表彰されていたことになります。

これを便宜上、Cat countが26だったと仮定をちょっと変更し、この猫があるリングで5位だったとします。

もし、この猫がTransferということで、5位を空位とし、6~10位の猫がそれぞれ繰り上げることになるとしましょう。

(※ルール上、Cat countは26でTransferがあっても変わらない前提ですが、万が一TransferによってCat countが1つ減っても25なので、「トップ10」表彰されるとします)

そうすると、何が起こるかと言えば、11位の猫を10位に繰り上げて表彰しなければならなくなりますが、Judgeは11匹目を選んでいませんでしたから、改めて11匹目を選んで10位にしなければならない(=単純に新たに10位の猫を選ぶ)ことになります。

しかし、それは改めてファイナル審査をして、新たに10位を選ぶということに他なりません。

昨日もお伝えしましたが、CLERKING MANUAL上、「the class may not be reopened」(Transfer先の審査の規定ですが、Transfer前の審査についても準用すると考えます)ですから、抵触してしまいます。

というわけで、TICAのRuleやManualを総合的に判断すると、仮にその猫がファイナルインしていた場合、クラスTransferがあったとしても、理屈上、繰り上げないという結論になるというわけです。

2020年1月26日 (日)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える②

昨日、ご紹介したように、Show Rule上の「Transfer」の規定は「ARTICLE SIXTEEN - Judging Procedures」の216.6しかありません。

当然ながら、これだけでは実務上、ルールとしては不十分と言えます。

そこで参照しなければならないのは「Clerking Program」の「CLERKING MANUAL」です。

「54.2 During the Show」とはなっていますが、この中に次の規定があります。

54.2.3.4 Transfers.
 ▶After the judging has begun.

  ▶If a cat is transferred after the show has begun, and a Judge has already judged the class that is correct for that cat, the class may not be reopened.
    ▶The Judge must mark his/her book "wrong class - not judged" (Show Rules, ARTICLE SIXTEEN).

【サンプル事例】のケースで言えば、全てのリングでそのクラスの審査を終えてしまっていたと考えられるので、「the class may not be reopened」ということになります。

ファイナルもファイナル審査ですので、一般審査もファイナル審査も「may not be reopened」です。

他の猫も含めて審査結果はそのままであり、「Cat Count」についてはルール上、別に特段の規定を設けてありませんから、そのまま変わらないことになります。

この規定は、Transfer先の正しいクラスの審査についてのものですが、Transfer前のクラスの審査について別の規定を設けているわけではないので、Transfer前のクラスの審査についても「may not be reopened」が準用されると考えるのが自然でしょう。

ただし、ここで注意したいのは、この規定は「Clerking Program」の「CLERKING MANUAL」であって、TICAのRuleではないということです。

ルールには必ず序列があって、上位ルール、下位ルールがあり、当然ながら、Show Rule > Clerking Program です。

ですから、この場合は「Clerking Program」のルールを準用して判断するということになります。

2020年1月25日 (土)

TICAルールOnlineセミナー:「クラスTransfer」をあらゆる角度から考える①

TICAのルールに関し、「あらゆる角度から考える」をテーマにOnlineセミナーを始めたいと思います。

お題は「クラスTransfer」--。

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【サンプル事例】※あくまでフィクションです。

ショーを終えた当日夜、ある出陳者から「クラスTransfer」の申し出がありました。

誕生日を勘違いしてしまって、「キツン」ではなく、正しくは「チャンピオンシップ」だったというのです。

この時のキツンのカウントは25、チャンピオンシップは20だったとします--。

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こうした場合、まずルール上、どうなるかを考えます。

「お題」に掲げたように、これは「クラス」の「Transfer」です。

従って「Transfer」の規定に則って対応することになります。

Show Rule上、「Transfer」は「ARTICLE SIXTEEN - Judging Procedures」の216.6として次のように出てきます。

Transfers:
216.6 At the option of the owner, a judge may transfer any kitten or cat incorrectly entered as to sex, color or breed, providing the transfer was not made by the show management prior to starting the judging. If the correct class has already been judged, the judge shall mark his judge's book "wrong class-not judged."

ただし、これはあくまで「Judging Procedures(ジャッジ手続き)」としての規定であって、しかも「At the option of the owner(オーナーの選択で)」という条件付きの規定となります。

すでにそのクラスの審査を終えてしまっていた場合、ジャッジはジャッジブックに「Transfer」した上で、正しいクラスの審査が既に終えてしまっていた場合は「wrong class-not judged」と記載するとなっています。

【サンプル事例】のケースで言えば、全てのリングでそのクラスの審査を終えてしまっていたと考えられるので、Show Ruleに忠実に則れば、全てのジャッジはジャッジブックに「Transfer」した上で、正しいクラスのところに「wrong class-not judged」と記載することになります。

Show Rule上の規定はここまでです。