「見て見ぬふりに終始」していませんか?
故J氏による「性加害」を調べてきた「外部専門家による再発防止特別チーム」が8月29日、調査報告書を公表し、「少年に対する性加害は紛れもない事実」と認定するとともに、J氏の姉が「事実を隠蔽し続けた」、事務所が「見て見ぬふりに終始した」と断罪しました。
【趣味の世界でも珍しくない「隠蔽」と「見て見ぬふり」】
小さな趣味の世界と全く無縁と思っているTICA Asia East Regionメンバーが多いかもしれませんが、「事実の隠蔽」と「見て見ぬふり」は多くのメンバーが目の当たりにし、加担してきたものであり、全然珍しくないことを自覚すべきでしょう。
もちろん、物事には大小があり、重軽がありますから、「隠蔽」し「見て見ぬふり」をしてきた結果も異なりますが、小さな趣味の世界だからと言って差別やハラスメントがあっていいわけではなく、依怙贔屓や情実審査も含めて「見て見ぬふり」をし続けていいわけがありません。
今回の調査報告書を隅から隅まで読む必要はありませんが、報道ベースで流れている情報ぐらいは丁寧に読み、我が身に照らして「隠蔽」や「見て見ぬふり」を首謀して来なかったか? 加担して来なかったか? を自問自答してほしいところです。
【ブリーダー・出陳者の心情につけ込む人たち】
特別チームの座長は会見で、「受け入れれば優遇され、拒めば冷遇されるという、少年たちの心情につけこんだ」と指摘したということです。
これもまた、小さな趣味の世界でも似たような構造が見て取れるではないでしょうか。
「受け入れれば優遇されていい成績が付きファイナルに入る。拒めば冷遇されてファイナルから外されるという、出陳者の心情につけこんだ」ーー。
【権力構造にいかに対峙し不作為をやめさせるか】
もう少し堅い言葉でいうと、「放置と隠蔽」「事務所の不作為」「被害の潜在化を招いた関係性における権力構造」が挙げられ、これら全てが小さな趣味の世界にも当てはまります。
情実審査やいじめ・嫌がらせ、カタログ記載ミスのの「放置と隠蔽」、Regionの「不作為」、一部のクラブオーナーやJudgeを頂点とする「権力構造」ーーはその影響力に違いはあっても構造的には同じです。
こうした組織風土を改善するのは容易ではなく、そのことは今回の事件を見ても分かるというものです。
「権力構造」にいかに対峙し、「不作為」と「見て見ぬふり」をやめさせるか、良識と常識を合わせ持つメンバーひとりひとりが考えていかねばなりません。
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◆新型コロナウイルス感染症の「5類移行」に伴い、これまでの「全数把握」による毎日の感染者数の発表は5月8日(月)が最後となり、今後は全国5000の医療機関からの報告をもとに公表する「定点把握」に変わりました。
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