TICA Winter Meetingルール改正案③出産回数の制限㊦
TICA Asia East Region Directorをはじめ、TICAのBoard Memberは、ルールの実効性について深く切り込んだ議論をしているでしょうか。
【24カ月の範囲の取り方で事実上4回可能に】
例えば、出産間隔を単純に8カ月(=24カ月÷3)あけるとして、1回目をその年の1月1日に出産、2回目を9月1日に出産、3回目を翌年の5月1日に出産し、4回目はさらに翌年の1月2日に出産させれば(あるいは出産したことにすれば)、事実上、ほぼ24カ月に4回の出産は可能というわけです。
もちろん、猫には発情期がありますから、カレンダー上だけのスケジュールで交配・出産を管理することは難しいかもしれませんが、机上で考えればこのルール改正案は24カ月で3回とは必ずしもならないということが分かるかと思います。
【TICA登録しなければ24カ月に何回でも出産可能】
TICA登録にそれほどこだわらない〝Kitten Miill〟ブリーダーであれば、このルールが出来ても痛くも痒くもないかもしれません。
例えば24カ月に5回、6回出産させたとしても、このうち1~2回はTICA登録しないで子猫をペットショップに卸し、3回分だけリター登録とキツン登録をするというやり方です。
もちろん、真面目なTICAメンバーから見ればとんでもない話ですが、証拠を掴むことは難しいでしょうから、仮にルール化してもどの程度の実効性があるか疑問と言わざる得ません。
【「獣医師の事前の書面による承諾」も微妙】
改正案(追加案)は以下のようになっていますが、「獣医師の事前の書面による承諾がない限り…」というところも判断と評価は微妙です。
310.3 A dam may not have more than three litters in a twenty-four month period except with the prior written approval of a veterinarian.
310.3 獣医師の事前の書面による承諾がない限り、雌猫は24カ月間に3リターを超えてはならない。
日本で言えば、大規模〝Kitten Miill〟の中に〝お抱え獣医〟がいるケースもあり、〝Kitten Miill〟ブリーダーの言うなりに「承諾」を乱発する可能性がないとは言い切れません。
「獣医師は正しい判断しかしない」という性善説に立ったルール改正であり、その点についても慎重な議論が欠かせません。
【母体保護や動物愛護の精神からのルール化】
おそらくTICAのBoard Member(一般のTICAメンバーも含めてですが…)において、雌猫の母体保護や動物愛護の精神からのルール化にどのように取り組むのかということを考える必要があるでしょう。
あくまでその一つが今回の改正案であって、動物愛護の観点から俯瞰的に見れば、ルール化すべきことはこれだけではないはずです。
2015年4月25~26日の静岡県でのショーで〝動物虐待〟まがいのショーが行われ、主催クラブに対しては1000ドルの罰金と1カ月のショー禁止処分が科されました。
移動用キャリーに押し込めたベンガルをキャリーごと控えケージに入れていたもので、1頭や2頭ではなく、20頭以上に及びました。
クラブオーナーは今なお、その移動用キャリーに押し込めた状態だったことについて「猫に苦痛を与えるほど矮小なものではなかった」とか、「非道な扱いは一切していない」と主張しているようですが、動物愛護の観点から見れば、これについても何らかのルール化が必要といえるでしょう。
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