キャットショーは「不要不急」か否か?⑧
西村経済再生大臣が11日、ツイッターを通じて「県をまたぐ移動を含めた不要不急の移動の自粛」を呼びかけたことは意外に知られておらず、国民の間でも周知徹底されていないようです。
【「不要不急」の外出とともに移動自粛も】
そもそも政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(改訂版)には、「特定都道府県は、法第45 条第1 項に基づき、不要不急の外出・移動の自粛について協力の要請を行うものとする」と明記されており、「基本的対処方針の主な変更内容について」という資料にも「不要不急の外出・移動自粛の要請」と書いてあるわけです。
実は、これらの文章の後に「特に、20時以降の外出自粛を徹底」と書いてあるのですが、世間的には「特に」以下のところだけが強調されてしまったというわけです。
主催クラブのオーナー/代表やショーコミッティーメンバーにおいては日ごろの報道に目を光らせるだけではなく、報道資料の原典に当たり、確認する必要があります。
【キャットショーにおける「不要不急」の移動自粛】
すでにご紹介した通り、TICAの日本においてキャットショーは「猫愛好家同士の交流と各猫種の理想となる猫の創出であり、プロのブリーダーが商用目的で集まるわけではない」ので「不要不急」のイベントなわけです。
この「移動自粛」要請に従うなら、例えば都内の会場でショーを開催する場合、北海道や中部、関西圏はもとより、埼玉県や神奈川県、千葉県からについても移動の自粛対象ということになります。
キャットショーの位置付けは各団体によって異なりますから、キャットショーが「プロのブリーダーが商用目的で集まる」ビジネスイベントであるとのことであれば許容されるとの見方もできますが、「緊急事態宣言」下においては「不要不急」であるか否かが厳しく問われますから、「不要」ではなく、「不急」でもないという理論武装は必要でしょう。
【キャットショーが「ビジネス」であっても】
ただ、キャットショーがビジネスであり、重要なビジネスイベントだったとすると、今度は「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(改訂版)における「職場への出勤等」との兼ね合いを考える必要が出てくるでしょう。
・ 職場への出勤は、外出自粛等の要請の対象から除かれるものであるが、「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を強力に推進すること。
・政府及び地方公共団体は、在宅勤務(テレワーク)、ローテーション勤務、時差出勤、自転車通勤等、人との接触を低減する取組を自ら進めるとともに、事業者に対して必要な支援等を行う。
一般企業においてこれだけの対処が求められているわけですから、同じ「ビジネス」の範疇にキャットショーを含めるとしても、政府の対処方針に従って接触機会の低減に向け対処しなければなりませんが、できることには限界がありそうです。
その意味では、昨年に世界各地で試みられた「バーチャル・キャットショー」は数少ない対処アイデアであったのではないでしょうか。
(続く)
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【注目ニュース】※随時更新しています。
◆米オハイオ州立大ウェクスナー・メディカル・センターなどの研究チームは13日、新型コロナの新たな変異種を二つ発見したと発表しました。
◆日本医師会は13日会見を開き、中川会長が「このままでは医療崩壊から医療壊滅へ」とするフリップを掲げ、「全国的に医療崩壊は既に進行している」と警鐘を鳴らしました。
◆三重県は14日、新型コロナウイルス特措法に基づく「緊急事態宣言」が愛知、岐阜両県に発令されたことを受け、三重県独自の「緊急警戒宣言」を発令しました。
◆熊本県は13日、県独自の「緊急事態宣言」を発令しました。
◆日本国内の累計感染者数が13日、30万人を超えました。昨年12月下旬に20万人を超えてから3週間あまりで10万人増加したことになります。
◆日本全国で13日、新たに5845人の感染が確認され、重症者が過去最多を更新する900人、死者も過去最多の97人になっています。
◆東京都で13日、新たに1443人の感染が確認されました。水曜日としては過去2番目の多さです。
◆埼玉県で13日、新たに392人の感染が確認されました。
◆神奈川県で13日、新たに767人の感染が確認されました。
◆千葉県で13日、新たに422人の感染が確認されました。
◆大阪府で13日、新たに536人の感染が確認されました。
◆愛知県で13日、新たに319人の感染が確認されました。
◆福岡県で13日、新たに252人(うち福岡市96人、北九州市59人)の感染が確認されました。
◆北海道で13日、新たに108人(うち札幌市60人)の感染が確認されました。