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2021年1月11日 (月)

あなたの愛猫にも迫る、目の前にある「医療崩壊」の危機

東京都杉並区の田中良区長が8日、重症者の治療で優先度を付ける「トリアージ」の「ガイドライン」策定を東京都の小池百合子知事に要望したというニュースがありました。

都内では医療機関の病床が逼迫しており、田中区長は国と都が協力し人工呼吸器の装着などの「ガイドライン」を速やかに用意するよう求めたものです。

【「トリアージ」=「命の選別」】

「重症者の治療で優先度を付ける」と言えば聞こえはいいですが、回復の期待が持てる感染者を優先し、治療を施しても見込みのない感染者を後回しにすることにもつながることから「トリアージ」=「命の選別」でもあります。

2回目の「緊急事態宣言」発令は、その内容こそ「限定的、集中的」かもしれませんが、1回目に比べれば緩く、その一方で医療を巡る状況は一変していることが分かります。

ショー再開を目論む主催クラブ/ショーコミッティーが「緊急事態宣言」にばかりに目を取られ、医療を巡る逼迫状況を軽視したり、過小評価したりすれば、取り返しの付かない〝悲劇〟を猫界に引き込むことになりかねません。

【たとえ幸運にも入院できたとしても…】

PCR検査で陽性になり、症状があったとしても、必ずしも入院できない状況にあることはきのうもお伝えしました。

しかし、仮に幸運にも軽症・中等症として入院できたとして、重症化したからといって必ずしも人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)を装着してもらえるかどうか分からない状況になりつつあることも忘れてはなりません。

大阪府内では、第3波(昨年10月10日~今年1月5日時点)に死亡した390人のうち、約76%にあたる297人が重症病床に入らず(もしかすると「入れなかった」のかもしれません)、軽症・中等症病床で亡くなったか、死後にコロナへの感染が確認されているのです。

医療体制がこうした状況にあってなお、主催クラブ/ショーコミッティーがショーを開催する合理的根拠がどこに見いだせるのか、よくよく考える必要があると言えるでしょう。

【「コロナで死ぬか餓死するか」究極の選択】

きのうのテレビ朝日系(ANN)のニュースをご覧になったみなさんは衝撃を受けられたかと思いますが、入院できず自宅待機を余儀なくされている30代の女性からの悲痛なメッセージが紹介されました。

入院待機中の女性:「今の体温は36度4分です。今の症状は、胸の痛みと胸が苦しいです」

今月3日に陽性が確認された女性はシングルマザーで、3人の小学生の子どもも全員陽性--。

保健所は5日、「(無症状の)子どもは入院できない」「お母さんも必ず入院できるわけではない」と言われたため、現在3人の子どもは元夫が面倒を見ているそうです。

SNSで窮状を訴えるこの女性は「呼吸は苦しいし、胸だか肺は痛いし、子供達ともいられないし、夜になると涙が止まらなくなる」

陽性判明から1週間、食料が入っていた引き出しは空っぽになり、今は昆布と飴、飲むゼリーを数回に分けて食べ、水に砂糖を入れて砂糖水にして飲んでいるといっていました。

入院待機中のこの女性は「食事はあるものでしのいでいますが、コロナで死ぬか餓死で死ぬかと思っています」--

何度も意識がもうろうとなり、体をぶつけて打ち身や切り傷も負ってしまったといい、「入院待機中でも入院が長引くなら医師に症状を見てもらいたい。立つのもやっとで食べ物の心配をするのがつらい。自宅療養や入院待機者にも物資の支援を早急にお願いしたい」--。

【残されることになる猫のことも考えて行動を】

ブリーディングを卒業し、猫を飼っていないJudgeは別にして、出陳者の多くは愛猫と同居し、あるいは繁殖もしているわけです。

入院待機中は家で猫の世話をできるとはいえ、こうした体調で果たして世話を続けられるでしょうか。

本人は無事に入院できたとしても、感染者と一緒に過ごした猫の世話をしてくれる人はほとんど皆無であろうと覚悟する必要もあります。

「緊急事態宣言」の中身的にはキャットショーを開けたとしても、あらゆる状況を総合的、俯瞰的に見て本当に開催できる状況にあると言えるのかどうか--

参加者の「安心・安全」とともに、愛猫の「安全・安心」まで思いを巡らし、慎重に判断する必要があるということを強調し過ぎることはないでしょう。

※「キャットショーは『不要不急』か否か?」は休みました。

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【注目ニュース】※随時更新しています。

◆米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、世界の累計感染者数が日本時間11日、9000万人を突破しました。

厚生労働省は10日、ブラジルから到着して感染が確認された4人から、英国や南アフリカで報告されたものと共通の変異がある新たな変異種が検出されたと発表しました。

日本全国で10日、新たに6100人の感染が確認され、日曜日としては過去最多になりました。重症者も過去最多を更新する852人になっています。

東京都で10日、新たに1494人の感染が確認されました。日曜日としては最多です。

埼玉県で10日、新たに414人の感染が確認されました。

神奈川県で10日、新たに過去3番目に多い729人の感染が確認されました。

千葉県で10日、新たに388人の感染が確認されました。

大阪府で10日、新たに532人の感染が確認されました。

愛知県で10日、新たに343人の感染が確認されました。

福岡県で10日、新たに284人(うち福岡市140人、北九州市39人)の感染が確認されました。

北海道で10日、新たに188人(うち札幌市76人)の感染が確認されました。

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