12月5日上田ショー「感染防止策」の疑問⑬感染させたら責任問われる?
新型コロナに感染して死亡した広島県三次市の女性(82歳。4月3日にせきなどの症状が出て、同19日に新型コロナによる肺炎で亡くなった)の遺族が、同市の訪問介護事業所の運営会社を相手取り、4400万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴したとの報道がつい最近、ありました。
【出勤させない義務があるのに怠った…】
報道によると、遺族側の主張は次のとおりです。
事業所のホームヘルパーが女性への訪問を控えていれば感染を防げた。
このヘルパーは3月31日に発熱や味覚/嗅覚異常の自覚症状があったが、4月1日に改善したとして翌2日と6日、女性のもとを訪れ、10日に感染が判明したとされる。(女性は4月3日にせきなどの症状が出て、同19日に新型コロナによる肺炎で亡くなった)
感染させたのはヘルパー以外に考えられない。
ヘルパーの親族も4月1日には頭痛などの症状があり、運営会社はヘルパーやその周辺の人に感染の兆候がある場合は報告を求め、出勤させない義務があるのに怠った。
【新型コロナを感染させた責任を問う珍しい?】
専門家の間では「コロナを感染させた責任を問う訴訟は珍しく、訪問介護事業所にどこまで感染を防ぐ義務があったかが争点になるだろう」と指摘する声も出ているそうです。
翻って、TICAのキャットショーはどうでしょうか。
仮にショー会場が「クラスター」と認定され、出陳者の間で感染した人が出た場合、今回の訴訟をなぞって考えると次のことが考えられます。
運営スタッフ、出陳者が参加するのを控えていれば感染を防げたか。
その運営スタッフ、出陳者は感染が判明していたか。
感染させたのは運営スタッフ、出陳者以外に考えられないと言えるか。
主催クラブ/ショーコミッティーは感染の兆候がある場合は報告を求め、参加させない義務があるのに怠ったか。
【「出陳者へのお願い」だけで十分といえるか?】
こうして考えると、12月5日(土)に長野県上田市でショーを開催するクラブの「出陳者におけるお願い」だけでは十分でないことが分かります。
確かに、自己申告で体調は聞いていますが、1日のブログでも指摘したように「書面」の提出は求めていなわけです。
加えて、「出陳者におけるお願い」はクラブサイトを通じて公表しているものの、クラブ代表を含め、運営スタッフ、Judgeについての体調管理については不明です。
別途、運営スタッフのクラブ員向け、Judge向けに「お願い」を作ってあるのかもしれませんが、「書面」の提出を求めていなければ同じことです。
【「参加させない義務を怠った」と言われないために】
広島県三次市の件は訴訟が提起されただけで、今後、どういう主張や証拠が出てくるか全く分かりません。
ですが、一つだけ念頭においておかねばならないのは「参加させない義務があったのに怠った」と言われないようにどうすればいいかということです。
「出陳者におけるお願い」は単に作ればいいというだけでなく、有効性と実効性が伴わなければ意味がありません。
信用できるクラブ、信頼の置けるクラブ代表やメンバーがいるクラブは除くとして、全てのクラブ一律にして「自己責任」において任せっ放しは問題があるでしょう。
TICA Asia East Region Directorはそこのところも踏まえて「ガイドライン」の重要性を考える必要があるのです。
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【注目ニュース】※随時更新しています。
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◆埼玉県で7日、新たに39人の感染が確認されました。
◆神奈川県で7日、新たに54人の感染が確認されました。
◆千葉県で7日、新たに44人の感染が確認されました。
◆大阪府で7日、新たに51人の感染が確認されました。
◆愛知県で7日、新たに15人の感染が確認されました。
◆福岡県で7日、新たに8人(うち福岡市5人)の感染が確認されました。
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