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2020年8月 8日 (土)

【改正動物愛護法】意見する上での基礎知識

「改正動物愛護法」に意見するなら熟知しているかとは思いますが、環境省「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」の第6回「議事概要」(7月10日開催)にいくつか重要なキーワードがありましたので、これから本気で取り組もうとされるTICAメンバーのために取り上げておきたいと思います。

◆動物福祉の5つの自由(The Five Freedoms for Animal)
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動物愛護という時に、動物福祉の5つの自由や、動物の健康と安全の確保、虐待の防止が、動物愛護管理法における動物愛護の考え方である
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7月10日の第6回「検討会」で、委員から上記の発言がありましたが、「動物福祉の5つの自由」はしっかり頭に入っているでしょうか。

《The Five Freedoms for Animal》

Freedom from Hunger and Thirst
Freedom from Discomfort
Freedom from Pain, Injury or Diseas
Freedom to behave normally
Freedom from Fear and Distress

TICA Asia East Directorが言うところの「家庭飼育のブリーダーの多くが終身飼養を重んじる」ということは、猫の「5つの自由」をきっちり守っているということであり、TICAの優良ブリーダー/オーナーであれば当然のことといえるでしょう。

このブログでこれ以上、詳しくは紹介しませんが、もしまだあまり良く知らないメンバーがいるようでしたら、下記のサイトでご確認頂ければと思います。

※埼玉県のHPから
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0716/fivefreedoms.html

※環境省のパンフレットから
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2708a/pdf/02.pdf

◆「エンリッチメント」の視点
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新たな基準検討のコンセプトとして「閉じ込め型の飼養を防ぐ」と記載されているが、動物の習性を考慮することも重要である。動物の正常行動の発現という目的を考えると、単に運動スペースの広さを確保するだけではなく、エンリッチメントの考え方も取り入れるべきではないか。
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7月10日の「検討会」では、委員から上記の発言がありました。

「enrichment」は「より豊かで有意義で報いのあるものにすること」であり、動物愛護の世界では一般的に「環境エンリッチメント(environmental enrichment)」として使います。

「動物福祉の立場から、飼育動物の『幸福な暮らし』を実現するための具体的な方策」であり、動物園で言えば「動物が持つ野生本来の行動を発現できるような施設づくりや工夫」ということになります。

Wikipediaでは「飼育動物の正常な行動の多様性を引き出し、異常行動を減らして、動物の福祉と健康を改善するために、飼育環境に対して行われる工夫を指す。飼育動物の福祉を向上させるもっとも強力な手段の1つとされる」と説明されています。

TICAのブリーダーに当て嵌めれば、「動物福祉の立場から、猫の『幸福な暮らし』を実現するための具体的な方策」であり、「猫が持つ本来の行動を発現できるような施設づくりや工夫」ということになるでしょう。

◆アニマルウェルフェアとISO34700
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畜産ではISO34700というアニマルウェルフェアの点検システムの認証がある。アニマルウェルフェアの改善は数字のクリアで終わりではなく、自分の飼育システムを見ながら、継続的に改善し続けることが重要であると思う。その意味で今後作成予定の基準の解説書がもっとも重要である。これをいかに飼育者への教育や周知に使用し、それによる見直しを義務化できるか、実際に自分の飼い方を基準書に照らし合わせて、問題点を自ら見出して改善していくというシステムを作れるものになっていくことが数値目標よりも重要だろうと考える
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「検討会」では委員から上記の発言もありました。

TICA Asia East Regionの中によもや「畜産の話なんて関係ないわ」というメンバーはいないと思いますが、「動物愛護」を語る上でしっかり押さえておかねばならない概念でしょう。

一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会によれば、「アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な生活ができる飼育方法をめざす畜産のあり方」であり、農水省のHPでは専用のページもあります。

「Welfare」というと「福祉」と訳しがちですが、「幸福」や「より良く生きること」という意味合いもあり、「アニマルウェルフェア」を「快適性に配慮した家畜の飼養管理」と言い換えるべきとの声もあります。

「PEDGE」というネットサイトは、「動物の立場に立ち、人間が動物に対して与える痛み・苦痛を最小限に抑えることで、飼育されているすべての動物の『生活の質(Quality of life)』を高めようとする考え方」と定義付けしています。

猫の「生活の質」を高めようという点では、TICAブリーダーも同じでしょう。

ちなみにISO34700は、国際標準化機構(ISO)のマネジメントシステムに関する認証規格であり、ISO34700は「General requirements and guidance for organizations in the food supply chain」です。

「アニマルウェルフェア」に基づいて、「あれをしなければならない」「これをしなければならない」と事細かに決まっているわけですが、「検討会」の委員の発言にもあるように、単に認証を取得して終わりではなく「継続的に改善し続けることが重要」なのです。

TICA Asia East Regionのブリーダーにとっても、今回の「環境省令」の「飼養管理基準」を守ればいいという志の低いレベルにとどまるのではなく、ブリード環境、飼育環境を「継続的に改善し続けることが重要」ということになります。

◆TICAの優良ブリーダーを自認するなら

TICAという国際団体の公認キャッテリーとして、TICAに所属する優良ブリーダーを自認して、「改正動物愛護法」に意見や要望をするのであれば、少なくとも上記の「動物福祉の5つの自由」「環境エンリッチメント」「アニマルウェルフェア」については基礎知識として頭に入れておかなければならないでしょう。

TICA Asia East Region Directorは「廃業を迫られる優良ブリーダーが出てしまう恐れがある」と危機感をあらわにしましたが、「優良ブリーダー」を自認して「動物愛護」に意見するなら、その前提となる知識と見識というものがあるはずです。

またTICA Asia East Regionとして「オンラインミーティング」を開催し、「動物愛護」をテーマに話し合うのであれば、上記のことは参加者全員が最低限の共通認識として共有しておかねばレベルの低い会話に終始してしまい、本気で動物愛護に取り組んでいる団体・組織からバカにされかねません。

対話や議論の「質」をいかに上げていくかは、TICA Asia East Region Directorの責務であり、その自覚がない限り「質」の高い議論は望めず、有効で実効性のある結論は永遠に出てこないのです。

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【注目ニュース】※随時更新しています。

日本国内で7日、新たな感染者が計1608人確認されました。1日当たりの感染者は4日連続で1000人を超え、7月31日の1574人を抜き過去最多となりました。

東京都で7日、新たに462人の感染が確認されました。1日当たりの感染者は11日連続で200人を超え、6日ぶりに400人台になりました。

千葉県で7日、新たに65人の感染が確認されました。3日連続で50人以上です。

神奈川県で7日、新たに107人の感染が確認されました。1日あたりの新規感染者が100人を超えるのは2日連続です。

大阪府で7日、新たに255人の感染が確認されました。2日連続で最多を更新しました。

愛知県で7日、新たに158人の感染が確認されました。感染確認が100人を超えるのは11日連続です。

福岡県で7日、新たに140人の感染が確認されました。100人を超えるのは3日連続です。

沖縄県で7日、新たに100人の感染が確認されました。初めて3ケタに乗り、最多となりました。

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