TICA、リスク管理/対応/対話のあり方を考える⑦
「今回のコロナウイルスは天災のようなものです」(原文ママ、正しくは「新型コロナウイルス」)と、達観したかのように言うメンバーがいるようです。
もちろん、一般国民としてはそう感じざるを得ない面はあるかと思いますが、TICAのJudgeやクラブ代表/オーナー、TICA Director経験者が平然とこう言い切ってしまっては身も蓋もありません。
東日本大震災から9年を経た3月11日、東京電力の小早川智明社長は福島第1原発の構内で黙祷し、次のように話したそうです。
「事故原因を天災と片付けてはならない。人智を尽くした備えで防ぐべき事故を防げなかった。真摯に受け止める」--。
私は、たとえ小さな趣味の世界であったとしても、「天災と片付けてはならない」という言葉を大事にしなければならないと思っています。
小早川社長が言うように「天災と片付けてはならない」からこそ、「人智を尽くした備えで防ぐべき事故を防げなかった」という反省が出てきて、対応策や対処策、再発防止策を真剣に考えることにつながるのです。
「天災のようなものです」と言って、それで終わりにしてしまっては、知恵を働かせることも、工夫を凝らすことも、切り抜ける努力も怠り、結局のところ「責任放棄」につながりかねません。
「天災のようなもの」というところまでは自身の個人的な感想として口に出てしまったとしても、「かもしれませんが…」と言って、その後にTICAとして何をすべきであり、自身がどのように貢献していくかこそしっかり語るべきでしょう。
まさか、今のAsia East Region Directorまで今回の新型コロナの「パンデミック」を「天災のようなもの」と考え、無為無策のままでいいと信じているとは思いたくありませんが、「天災のようなもの」と考えていないのであれば、TICA Asia East Regionを挙げて「人智」を尽くして顕在化した課題を洗い出し、今後の対応策を考えていってもらいたいと思います。
Asia East Region Directorに立候補して当選した以上、その時に掲げた「公約」を自ら改めて読み返し、こうした危機的状況のときにこそ、覚悟と危機感を持ってその責務を最大限に果たすべく全力で努力して頂きたいところです。
何度も繰り返しますが、TICAにおいてもTICA Asia East Regionにおいても、リスク管理/リスク対応/リスクコミュニケーション(対話)のあり方に大きな問題があり、それを改善していかなければならないということを、Director経験者を含めてもっと真剣に考えてほしいと思います。
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【注目ニュース】
◆米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は20日、コロンビア大学の研究者の分析に基づき、政府の対策で感染率を半減させたとしても、今後2カ月で65万人が感染する可能性があると報じました。
◆イタリアのコンテ首相は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、生活必需品以外の全産業の生産活動を停止すると発表した。
◆スペインで20日、感染による死者が1000人を超えました。死者が1000人を上回るのは中国、イタリア、イランに次いで4カ国目とのこと。
◆タイのバンコク都は21日、感染拡大を防ぐため、都内の商業施設や娯楽施設の営業を22日から4月12日まで3週間禁止すると発表しました。
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