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2019年10月 1日 (火)

第3のクラブ「出陳拒否」裁判、「和解」内容のポイント⑪

「和解」の第4項については、「未来志向」という言葉が醸し出す抽象的イメージにとらわれ過ぎてはならないと私は感じています。

なぜなら、「未来志向」を謳うこと自体はある意味、簡単ですが、「互いに友好な関係を築くため」の「土台作り」「基盤作り」は困難を極める過酷な作業だからです。

今回の「和解」ではそこまでは踏み込んでおらず、「基盤作り」「土台作り」は双方の精神的な自助努力に委ねられているのだと、私は思っています。

つまり、今回の「和解」は、「和解」が成立して終わりではなく、「和解」をスタート地点として双方が内在的な自助努力に真剣に取り組んでいかねばならないことも意味すると言えるのではないでしょうか。

虫歯になった部分を削らずに、脆くなった部分にレジンを充塡したりクラウンをかぶせたりしても、すぐに外れたり、場合によっては知らない間に虫歯が進行し、神経を抜かねばならないまでに悪化させてしまうことにもなりかねません。

腐った土壌を完全に除去せずに、たとえどんなに強固な「未来志向」の鉄筋建物を建てても崩れるだけです。

新たな物(あるいは事)を打ち立てるには、「土台」「基盤」作りが中途半端だったり部分的だったりしては意味がなく(その部分が傾いたり崩れたりするほか、腐った土壌が健全な土壌を蝕んでいくからです)、完全かつ完璧なものでなくては、打ち立てた努力は報われません。

「互いに友好な関係を築くため」の「基盤作り」「土台作り」は、マックス・ウェーバーが「職業としての政治」で書いたような、 「情熱と判断力の両方を使いながら堅い板に力を込めてゆっくり穴を開けていくような仕事」と似ており、「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が-自分の立場からみて-どんなに愚かであり卑俗であっても、断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間」にしか為し得ない、孤独で辛く厳しい作業です。

臭い物に蓋をするかのように、互いに互いの過去を見て見ぬふりをすることでは決して為し得ません。

ワイツゼッカー元独大統領は第2次世界大戦終了40周年の1985年5月、「荒野の40年」と題した議会演説で、「過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる」と訴えたわけですが、この言葉を決して忘れてはならないでしょう。

互いにしっかり目を見開いて「未来志向」の「友好な関係を築くため」にも、「過去に目を閉ざす」ようなことがあってはならないと私は思っています。(続く)

※Director選挙立候補にあたっての「公約」等はこの連載が終わり次第掲載するとともに、TICA Aisa East Region公式サイトの方で日本語とハングルの両方で載せる予定です。

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