第3のクラブ「出陳拒否」裁判、「和解」内容のポイント⑨
「和解」の第4項は「未来志向」を謳ったものです。
4 原告ら及び被告は、今後互いに友好な関係を築くために、紛争を早期に解決すべく譲歩し合って本和解を成立させたことを確認する。
みなさんは覚えていないと思いますが、実は前アジアディレクターがオーナーのクラブの「出陳拒否」裁判の東京高裁での「和解」には、こうした類いの条項は入っていませんでした。
同じような「出陳拒否」の裁判で、しかも同じ「和解」なのに、どうして内容にこのような違いが出てくるのか、みなさんの中には不思議に思われる方がいるかもしれませんが、その理由のひとつは先に紹介した第1項にその理由があるともいえます。
第1項に於いて「出陳拒否」を「深謝する」(あるいは「謝罪する」)ということなっていれば、原告側の心に「未来志向」への確信が生まれ育まれたかもしれませんが、「不相当であったことを認める」だと、「深謝する」(あるいは「謝罪する」)と明記する場合に比べ、原告側としてはたとえ頭で理解し納得したとしても、心情的にはもやもや感が残り、「未来志向」へのニュアンスに一抹の不安が生じたとしても不思議ではないかと思います。
ですが、第4項を入れることにより、第1項に於いて「深謝する」といった「謝罪」の文言がなくとも、「和解」の全体像として「未来志向」がくっきりと浮かび上がり、その方向性も明確になって、「未来志向」へのイメージが具体化してくる気がするのは私だけでしょうか。
原告側としては、被告側エントリークラークからの「謝罪」の言葉(文言)がなかったとは言え、第4項を入れることによって、「互いに友好な関係」を築く営みの中で、「不相当であったことを認める」ようなことをされた辛さや苦しみも薄らいでいくだろうとの希望と期待を託したというわけです。(続く)
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