時代の流れと真逆に進むTICAアジア(11)
私はこの映画をハンガリーのショーに行くポーランド航空の機内で観ま した。
「スリー・ビルボード」--。
主演のフランシス・ マクドーマンドさんは米アカデミー賞の主演女優賞を獲得、 受賞後のスピーチが世界的な話題になっています。
「最後に伝えたいメッセージがあります。会場にいるみなさん、『inclusion rider』という言葉をよく覚えておきましょう」--。
2月14日から始めた「時代の流れと真逆に進むTICAアジア」 のシリーズでも、「inclusion」 というキーワードを2回目(2月15日)、3回目(2月16日) のブログで取り上げました。
それは、「多様性(diversity)」とセットで語られる「 受容性(inclusion)」です。
マクドーマンドさんがスピーチで語った「inclusion rider」というのは、役者が出演交渉を行う際に提示できる「 付帯条項」を指します。(※「rider」 という意味には乗る人というほかに、「付記事項」「付帯条項」 という意味があります)
もう少し具体的にいうと、「inclusion rider」とは、「映画の登場する人物に、女性や少数民族、 LGBTQコミュニティの人たち、 障害を持つ人々がある程度の割合で入っていること」 を条件とした要項のことです。
例えば、「出演者の半分は女性であること」「 半分は白人以外の役者であること」「 2割は障害を持つ役者であること」「 1割はLGBTQコミュニティに属する役者でなければならない」 など。
役者に限らず、映画クルーやエキストラ、 制作スタッフに対しても同じことを求めているそうです。
時代がこうした方向に進むなか、TICA Asiaはどうでしょうか。
「多様性(diversity)」と「受容性( inclusion)」 を広く受け入れる方向に向かっているでしょうか。
私は真逆に進んでいるとしか思えません。
小さな趣味の世界だから、馴れ合いと依怙贔屓が支配する” 仲良しクラブ”でいいという意見があるかもしれません。
小さな趣味の世界だから、 いじめや嫌がらせによって誰をどう排除しようが自由だと思っている人がいるかもしれません。
”甘い蜜”の恩恵に預かり、その”傘”の中にいられるなら、どんな差別やパワハラで苦しめられているメンバーがいようが、見て見ぬふりをすればいいと考える人がいるかもしれません。
しかし 、私は決してそうは思いません。
たとえどんなに小さな趣味の世界であろうとも、 時代の流れと真逆に進むことはあり得ず、「多様性( diversity)」と「受容性(inclusion)」 を広く受け入れ、育くむ組織風土にしていかなければならないと思っています。
※「TICA Asia Region Siteの”私物化”は許されない!」は休みました。
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