ドキュメント”逆転勝訴”、金銭支払い応じた「和解」の舞台裏⑧
被控訴人(被告)側の「和解」案の骨子4点のうち、①(=「深謝する」として“謝罪”を表明する)は問題ないわけですから、やはり②(=金員の支払いには応じられないという項目)が残ることになりました。
被控訴人(被告)側が、「深謝」するとして“謝罪”することを受け入れる一方、なぜ、「金員の支払い」だけは頑なに拒むのか(拒んだのか)は、今もってよく分かりません。
控訴人(原告)側は、高裁裁判官に対し、「支払わないということの合理的な理由を説明してもらった上で、納得できる理由であれば、それはそれで仕方ない」旨を伝えました。
これも「和解」をさらに前進させるためのきっかけ作りの提案となるものでした。
しかし、高裁裁判官から、それに対する明確な回答は得られずじまいだったそうです。
先日もお伝えしましたが、控訴人(原告)側が高裁裁判官に「どうして支払いを拒むのか具体的な理由を知りたい」と求めても、高裁裁判官が被控訴人(被告)側に「支払いを拒む具体的な理由は何ですか」と聞くとは限りません。
また、高裁裁判官が、本当に被控訴人(被告)側から「支払いたくない」という具体的な理由を聞いていなかったかも知れませんし、実は聞いていたけれど敢えて控訴人(原告)側に伝えなかったかもしれません。
控訴人(原告)側は高裁裁判官に詰め寄り、
「謝罪しておいて具体的な金銭の支払いがないのは、本当に謝罪する気持ちがあるのかどうか疑わしい」
「これでは『ごめんで済めば警察は要らない』と同じことではないか」
「謝罪する際に菓子折りのひとつも持っていくのが一般社会常識である」
--等々を伝えました。
TICAアジアへの悪影響に関しては、「出陳拒否しておいて”謝罪”だけで金銭を支払わなくて済むということになれば、今後もライバル猫を追い落とすために出陳拒否が相次ぎ、モラルハザードを招くのは必至である」とも訴えました。
そして、改めて、支払い猶予や免除に応じても構わない旨を次のように伝えました。
「被控訴人(被告)側が実際にお金を支払うこと自体を拒んでいるのであれば、支払い義務があることを明記したうえで、支払いの猶予や免除に応じる用意があります。それならおカネは動きません」--。
控訴人(原告)側にとっては、そもそも”カネ目当て”の裁判ではありませんでしたから、TICAのルールを”悪用”した「出陳拒否」に対し、”謝罪”とともに金銭の支払い義務があることを認めさせるだけで十分だったのです。
もちろん、これはあくまで控訴人(原告)側の”戦略”であって、高裁裁判官がどう受け取り、実際に被控訴人(被告)側にどう説明したか、そしてそれを被控訴人(被告)側がどう受け止めたかは分かりません。
一方、被控訴人(被告)側にも緻密な裁判戦略があったかもしれず(代理人弁護士を立てているわけですからあって然るべきですが…)、それに沿って着々と進めていたかもしれなかったことまで否定するものではありません。
しかし、これまた控訴人(原告)側が繰り出した提案”戦略”がズバリと当たり(単に高裁裁判官がうまく説得してくれただけかもしれませんが…)、被控訴人(被告)側が乗ってきたのです。
(続く)
※「続・前セクレタリ ー+77 人『プロテスト』裁判、被告側の主張(16)」 は18:00アップの”夕刊”で掲載します。
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