77人の「共同申立人」、なお残る疑問(2)
77人のうち何人かは、原告側弁護士が実施した「調査」に協力し、「共同申立人になることを了承していた」と回答しました。
しかし、それはあくまで原告側が実施した「調査」であって、原告側に”協力”したに過ぎず、被告側の前セクレタリー(現アジアディレクター)に協力したことにはなりません。
なぜ、これらの人たちは原告側の「調査」には”協力”したのに、前セクレタリーには協力しなかったのか、大いなる疑問として残ります。
少なくとも、原告側の「調査」に対しては「共同申立人になることを了承していた」と回答したのですから、前セクレタリーに協力する意思があるなら、「共同申立人になることを了承していました」と証言すればいいだけでしたが、それすらしていないのです。
もちろん、今回の裁判では、前セクレタリーは89人全員からの了承を得た上で、「共同申立人」名簿を提出した旨を主張していましたから、ひとりでも「了承していない」と言い出す人が出て来てしまっては、前セクレタリーの主張は崩れてしまうわけです。
結果論になってしまいますが、ひとりやふたり、あるいは何人かから、「共同申立人になることを了承していた」という証言を引き出せたとしても、裁判の上では余り有効ではなかったかもしれません。
双方が裁判所に提出した物証に基づけば、常識的には89人の多くが「共同申立人になることを了承していなかった」と推認されますから、前セクレタリーはそれを覆す意味でも、「了承した」とする「共同申立人」の証言等が必要でしたが、しませんでした。
せめて、元アジアディレクターを含むジャッジ3人、現セクレタリーが「共同申立人になることを了承していた」と証言したり、その証拠を提出したりしていれば、それなりに有効だったかもしれませんが、それすらもしなかったわけです。
どうして何もしなかったのか--。
考えれば考えるほど不可解なことばかりで、私は理解に苦しみます。
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