今ここでも聞こえる「こんな人たちに…」の声
都議選の応援演説で、安倍首相が放った「こんな人たち」発言が波紋を広げました。
秋葉原で街頭演説していた安倍首相に対し、「安部やめろ」コールが出て、安倍首相がその方向を指さして「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」と言い放ったのです。
TICAアジアにおいて、私の耳には似たような言葉の数々が聞こえてきます。
「こんな人たちに、裁判で負けるわけにはいかない。負けるわけがない」--。
「こんな人たちに、出陳してほしくない」--。
「(裁判を起こすような)こんな人たちと、ショー会場で顔を合わせたくない」--。
冒頭の安倍首相の発言には、ある元議員が以下のようなことをツイッターで投稿したそうです。
「この方は、自分に反対の考えを持つ人々は国民ではないと思ってる。総理になって何年も経つのに、この方は全国民のために選ばれた職にある自覚は持ち合わせない」--。
ジャーナリストの江川紹子さんは、この問題を取り上げ、いくつかの事例を挙げて、発言の”異常”さを指摘しています。
「2008年の米大統領選で、共和党のマケイン候補と激しい選挙戦を戦った民主党オバマ候補は、勝利が決まった後の演説で、マケイン氏を称え、こう語った。
『私がまだ支持を得られていない皆さんにも申し上げたい。今夜は皆さんの票を得られなかったかもしれませんが、私には、皆さんの声も聞こえています。私は、皆さんの助けが必要なのです。私はみなさんの大統領にも、なるつもりです』(加藤祐子訳)
韓国の文大統領も、5月の就任宣誓で『私を支持しなかった国民一人ひとりも国民』とし、その国民に奉仕することを約束し、『皆の大統領になる』と強調した」--。
「こんな人たち」発言が出るような組織、他のメンバーを「こんな人たち」と心の中で蔑むような人物がトップに就く組織が健全で正常に発展するはずがありません。
※「『裁判』の最近の状況について」は休みました。