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2017年5月12日 (金)

実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(30)

◆当時のTICA会長による「TICA TREND」のメッセージについて

被告側弁護士が前セクレタリーに、「乙第10号証の1」のメッセージ原文とその和訳を示す。

被告側弁護士:「先ほどTICAの本部のディレクターでしたっけ? ヴィッキー・フィッシャーさ
          んのお名前が出ましたけれど、ヴィッキー・フィッシャーさんのコメントという
          のは、ここの乙第10号証の2で日本語で書いてありますけど、このメッセー
          ジでよろしいですか」


前セクレタリー:「間違いないですね。はい(注1)

被告側弁護士:「それで真ん中あたりに、TICAのディレクター全員は昨年度のショーシー
          ズンの終わりに前代未聞の数の苦情、劣悪なスポーツマンシップに対す
          る苦情申し立てを受けるという、誠に残念な事態に直面しましたとあります
          けれども、苦情の対象は4月29日のショーということでよろしいですか」


前セクレタリー:「間違いないです(注2)

被告側弁護士:「それでそっから数行下に、ルールの盲点や解釈にまで勝つことがそれほ
          どに重要でしょうかとありますけれども、4月29日のショーはルールには反
          してないけれども、ルールの盲点や解釈に挑戦して、結果として前山さん
          の猫が勝ったということを意味して書いているということでよろしいですか
          ね」


前セクレタリー:「間違いないですね(注3)

注1)前セクレタリーは「間違いない」と証言しましたが、実は、この和訳は誤訳や印象操作を施した恣意的な翻訳となっていました。

このメッセージ原文と和訳は、多くの日本のクラブ代表者とジャッジが手にしたはずですが、その中の何人が原文と和訳を照らし合わせて読み比べ、原文通りの日本語訳になっているかどうかを確認したでしょうか。

おそらく大半、あるいはほぼ全員が被告側が配布した和訳を鵜呑みにし、原文を当たって確認するという基本動作を蔑ろにしたのではなかったでしょうか。

要は、意図的な印象操作を施した和訳によって、多くのクラブ代表者とジャッジが誤導されたというわけです。

注2)前セクレタリーは「間違いないです」と証言しましたが、何を以てして「間違いない」と証言したのか極めて不可解です。

第1に、このメッセージの中に「4月29日」のショーであると特定する記述は一切ありません。

第2に、メッセージ原文では、「Sadly, your Board of Directors dealt with an unprecedented number of complaints and allegation of poor sportsmanship at the end of the show season」と書いてありました。

これに対して、和訳は「まことに」に当たる英語がないにもかかわらず、「Sadly」を「まことに残念な」と誇張して訳していました。

単に「残念な」と、「まことに残念な」では「残念」の度合いが異なり、被告側が証拠として提出した日本語訳は、読み手に対して「まことに残念な」ことをしたかのような印象を植え付けていると言わざるを得ません。

第3に、メッセージ原文は「complaints」と「allegation」という異なる2つの単語を使い分けていましたが、和訳は両方とも「苦情」と訳しています。

「allegation」は①(弁明や口実などの)申し立て、主張、②「(不正行為について十分な証拠のない)申し立て、断言を意味し、「苦情」の意味合いはありません。

「allegation」を「苦情」と訳した和訳は、原告らが数多くの「苦情」を受けているかのような印象を植え付ける印象操作を施したと言わざるを得ません。

第4に、メッセージ原文にある「poor sportsmanship」は、「劣悪なスポーツマンシップ」と訳されていましたが、「poor」は「貧しい」「不健康な」「不十分な」「乏しい」「不足している」「不毛な」を意味し、この文脈において「劣悪な」と訳すことに合理性と正当性を見出せません。

「スポーツマンシップの精神に乏しい」、あるいは「スポーツマンシップに欠けた」と訳すべきところを、敢えて「劣悪なスポーツマンシップ」と訳すことは、アクトのショーを指すものでなかったとしても、被告側が悪い印象を植え付ける印象操作を施していると言わざるを得ません。

注3)被告側弁護士は、「ルールの盲点や解釈に挑戦してまで勝つことがそれほどに重要でしょうかとありますけれども…」と尋問し、さらに「ルールの盲点や解釈に挑戦して、結果として前山さんの猫が勝ったということを意味して書いているということでよろしいですかね」と聞き、前セクレタリーは「間違いないですね」と証言しました。

しかし、どれだけのクラブ代表者とジャッジがこの部分のメッセージ原文に立ち帰り、本当にそう書いてあるかどうか確認したでしょうか。

原文にはこう書いてありました。「Is winning so important that we will resort to testing the limits of the rules to win?」

この原文のどこに、「盲点や解釈に」という英語が書いてあると言うのでしょうか?

それにもかかわらず、この和訳は「ルールの盲点や解釈に挑戦してまで勝つことがそれほど重要でしょうか?」と訳していたのです。

「盲点」は英語で「blind side」あるいは「blind spot」であり、日本語の「盲点」の意味は「気づかずにうっかり見落としてしまう事柄」(三省堂「大辞林」)をいいます。

メッセージ原文に書いてない「盲点や解釈に」を加えることで、和訳を読んだ人は、あたかもルールの「盲点」を突き、あたかもルールの「解釈」に挑戦して「勝ち」を手に入れたという先入観を植え付けられたというわけです。

これは明らかに恣意的な印象操作を施した日本語訳と言わざるを得ません。

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