「巧言」と「讒言」に踊らされる限り…(1)
突如、脚光を浴びることになった「忖度」という言葉ですが、もともとは儒教の基本書とされる「四書五経」の「詩経」に出てくるそうです。
その中に「巧言」(注1)という「詩」があり、そこに出てくるとのこと…。
「忖度」が出てくる章に行く前に、次のような章があるのでご紹介します。
亂之初生、僭始既涵
亂之又生、君子信讒
君子如怒、亂庶遄沮
君子如祉、亂庶遄已
これを意訳すると以下のようになります。
亂(乱)の初めの原因は僭越を許すにある。
亂(乱)が深刻化するのは、君子が「讒言」(注2)を信ずるからだ。
君主が「讒言」を怒りつければ、多くの亂(乱)など早いうちに阻止されるものだ。
君主が真剣に止めれば、多くの亂(乱)などたちどころに已(や)むものだ。
解説を交えながら、詳しく説明すると次のようになります。
「世の中がだんだんと乱れ始めると、詐(いつわ)り(「僭」は詐りのこと)を言う者がだんだんに世間に用いられて来るのである。
また、乱がだんだん酷くなってくると、君子が『讒言』を信じて、忠臣を遠ざけるというようになるのである。今がちょうどそういう状態である。
これでは国の将来が心配なのであるが、君子がもしこれに気付いて、『讒言』する者に怒ってその地位を奪ってしまうなら、こういう世の中の乱れも速やかに止むであろうが、いつになったなら君子がそのことに気付いてくれるだろうか。
一般人民が幸せになることを望む誠情が君子に起こったならば、『讒言』をする者などは追い払われて、国の乱れは止むであろうが、そういう心持ちにいつなるだろうか。
どうか、一日も早く君子が覚醒してくれればよいと思って、その日の来るのを待っているのです」--。
猫の世界も、全く同じことが起こっており、同じことを望む人は増えていると思います。
注1)「巧言」=「巧みに飾った言葉。心にもない口先だけの言葉」(大辞林)
注2)「讒言(ざんげん)」=「他人を陥れようとして、事実を曲げ、偽って悪しざまに告げ口をすること」(大辞林)、「事実を曲げたり、ありもしない事柄を作り上げたりして、その人のことを目上の人に悪く言うこと」(大辞泉)
※本日も2本をアップする予定にしています。”夕刊”の配信は18:00の予定です。
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