実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(9)
◆続・4月29日アクトショーに対する米国BGオーナーらからの「プロテスト」について
原告側弁護士:「22.4.1というのは、ショー開催初日30日前までにショーライセンスが発行さ
れていなければ、猫はショーに出陳しても、リジョナル賞、インターナショナ
ル賞やタイトルポイントを獲得できないというルールなんですけれども、こ
の規定に抵触するとどうなるんですか」
前セクレタリー:「当然、そのショーで獲得したポイントは無効になりますから、善意で出
陳した出陳者に多大な迷惑がかかります。ですから、恐らくTICAはその
ようなことをさせなかったんじゃないかというふうに思ってます」(注1)
原告側弁護士が「22.4.1に抵触するというか、30日前にライセンスが発行されないショーと
いうのは、アクトのショーだけだったんですか」
前セクレタリー:「それは詳しく知らないですね。ただ、たぶんあっただろうということは言
われてます」(注2)
原告側弁護士:「ほかにもそういう形で開催されたショーがあっただろうということですね」
前セクレタリー:「そうですね。世界中のTICAのクラブがやってますから、どっか落ち度は
あったはずです」
原告側弁護士:「そうであれば、22.4.1というのは厳密には運用されてなかったということで
すね」
前セクレタリー:「おっしゃるとおりです」(注3)
注1)Yahoo Group Mail 「TICA Members」の投稿では、TICAのボードがルール通りに22.4.1を適用しなかったことが批判されていました。TICAが22.4.1を自ら定めたルール通りに適用していれば、米国のBGが逆転で2位になることはなかったわけですから、そもそもの混乱を招いたのはTICA本部の判断だったこととも言えます。
TICA本部がどうして自らが定めたShow Ruleを破るような判断をしたのか、公式発表がないので分かりませんが、前セクレタリーの証言(「善意で出陳した出陳者に多大な迷惑がかかります」)も疑問と言わざるを得ません。
なぜなら、TICA本部が22.4.1を自ら破る判断を下したことで、世界のアワードランキングが変わり、それで「多大な迷惑」を被った数多くの欧米出陳者が居たことも事実だからです。
仮に、米国TICA本部の判断の理由が前セクレタリーの証言通りだったとしても、欧米の出陳者に「多大な迷惑」をかけているわけですから、正当な理由とは言えないでしょう。
注2)当時のTICA会長はメーリングリストにおいて、22.4.1に抵触したクラブ一覧を投稿しており、半年の間に全世界で30を超えるショーが該当していたかことが判っています。
もし、前セクレタリーに「メーリングリストが大変なことになってます」と伝えた人物が本当に全ての投稿を読んでいたなら、この部分を読み落とすはずがありませんし、アジアリジョンではアクトの他に3つのクラブ(うち日本では2つのクラブ)で該当していたわけですから、セクレタリーに伝える責務があったと言えます。
なぜ、日本の他の2つのクラブにおける22.4.1の問題は見過ごされ、アクトだけ執拗に”やり玉”に挙げられるのか、とても疑問に感じます。
注3)この証言が全てを物語っているのではないでしょうか。米国TICA本部がShow Rule 22.4.1を「厳密に」「運用」してこなかったことが問題なのであり、それを長年にわたり放置してきた責任は米国TICA本部にあるのではないでしょうか。
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