【TICAルール改正】Show Rule 23.6.5の削除について(4)
さて、本題に戻ります。
Show Rule 23.6.5の問題点は、今回の一連の「出陳拒否」裁判でもそうでしたが、「Prior conduct(過去の言動)」とは具体的に何を指すのか?がルール上、明確になっていない点にあります。
確かに、 「detrimental(有害である)」ことと定めてあり、その後に、「協会の権益、猫の幸福、もしくはクラブ及び/またはショー自体の繁栄」と、「何にとって」なのかの説明が付いています。
しかし、それでもなお、「協会の権益に有害」とはどういう言動を指すのか? 「猫の幸福に有害」とは何をすることなのか? 「クラブ及び/またはショー自体の繁栄にとって有害」とは何なのかについて、具体的に明記しているわけではありません。
具体的な事例を明記していないからこそ、そこにクラブ側の恣意的な解釈が紛れ込んだり、勝手な言い分が入ってきたりするわけです。
とは言え、ショールールに「detrimental」な「Prior conduct」とは何なのかを、事細かく明記することは事実上、不可能です。
仮に、いくつか「detrimental」な「Prior conduct」の例を挙げたとしても、「例として挙がっていないケースなら構わないでしょう」と詭弁を弄するクラブが出て来ないとも限りません。
従って、具体的に「detrimental」な「Prior conduct」とは何かをルールとして明記できない以上、23.6.5の存在自体が”有害”になり、TICA全体にトラブルを及ぼすリスクがあることは、日本で現実に起きている「出陳拒否」裁判を見れば明らかです。
表向きの提案理由は23.6.5がなくなっても、「23.6.2~23.6.4でカバーできる」というものですが、実態としては23.6.5を削除しなければならないという前提が先にあるようにも受け取れます。
おそらく、「削除すべき」という考えが先にあり、「削除しても既存の23.6.2~23.6.4で何とかカバーできるのではないか…」という見解に至ったというのが本当のところではなかったでしょうか。
ただし、23.6.5を削除すれば問題が解決するかというと、必ずしもそうではありません。
次回以降、削除した場合にどんな問題が出てくるかを考えてみたいと思います。
※本日も2本をアップする予定にしています。2本目は18:00の予定です。
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