【TICAルール改正】Show Rule 23.6.5の削除について(3)
Show Rule 23.6.5の原文は以下のようになっています。
「Prior conduct of the entry and/or exhibitor is detrimental to the best interest of the association or the welfare of cats or the club and/or its show」
主語は「Prior conduct (過去の言動)」で、述語は「is detrimental (有害である)」です。
「Prior conduct」の後に続く「of the entry and/or exhibitor」は主語にかかる修飾句、「is detrimental 」の後に続く「to the best interest of the association or the welfare of cats or the club and/or its show」は述語にかかる修飾句です。
つまり、23.6.5は「エントリー及び/または出陳者の過去の言動」が「有害」であったときに、23.6で規定しているように、「ショーコミッティーが自由裁量で出陳を拒否できる」というものです。
しかし、現在出回っている日本語訳はどうなっているかというと、「出陳行為前や出陳者自身が協会の権益、猫の幸福、もしくはクラブやショー自体の繁栄を妨害する」となっています。
「出陳前行為」と「出陳者自身が協会の権益、猫の幸福、もしくはクラブやショー自体の繁栄を妨害する」を、並立助詞の「や」で繋いで翻訳している点で、明らかな誤訳と言えます。
この誤訳に基づいて、前アジアディレクターがオーナーのクラブでは、「過去の言動」でなくても、「出陳者自身が協会の権益、猫の幸福、もしくはクラブやショー自体の繁栄を妨害する」のであれば23.6.5を適用できると、大きな勘違いをしてしまったというわけです。
繰り返しになりますが、23.6.5の主語はあくまで「Prior conduct」であり、適用されるのは「エントリー及び/または出陳者の過去の言動」が「有害」であったときに限られます。
※本日も2本をアップする予定にしています。2本目は18:00の予定です。
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