「出陳拒否」裁判、被告側本人尋問で何が明らかになったか(2)
裁判が進むにつれ、被告側が2014年2月ショーの「出陳拒否」の理由として主張し始めたのはShow Rule 23.6.5でした。
いつの間にか被告側の主張は、2月、4月、6月ともShow Rule 23.6.5に当たる理由があり、このルールを適用して「出陳拒否」をしたと、主張を変えたというわけです。
ですから、前アジアディレクターのクラブオーナーに対する被告側本人尋問では、2月ショーでの「出陳拒否」の本当の理由は、「申し込みが締切日を過ぎていたので受け付けない」ということだったのか、「Show Rule 23.6.5に当たる」からなのかが質されました。
すると、被告側クラブオーナーは以下のように証言したのです。
「原告と私たちは普通の猫仲間でしたから、(23.6.5を適用するのではなく)これでもいいんではないのか…。こうした方がいいんではないのかなぁ…。お互いに楽だと思って、(申し込みが締切日を過ぎていたので受け付けないということに)決めました」--。
私は、余りに軽はずみで不用意な判断であったことに言葉を失いました。
しかも、「お互いに楽」とはどういうことなのでしょうか。「自分にとって”楽”」だったと言うことなら理解できないでもありませんが、「お互いに…」とはどういうことなのでしょうか。
前アジアディレクターは、「出陳拒否」された原告側が、「申し込みが締切日を過ぎていた」という理由なら”楽に”「出陳拒否」を受け入れるとでも思っていたのでしょうか。
クラブオーナーによる「楽だと思って…」という判断がどれだけ軽はずみで不用意であったかは、こうして3年近くに及ぶ裁判が続いていることで明らかなのではないでしょうか。
エントリークラークをはじめとするこのクラブのクラブ員は、「こんな杜撰でいい加減な判断は後々、問題を大きくする恐れがある」と、どうしてアドバイスしなかったのでしょうか。
いずれにしても明らかになったのは、「申し込みが締切日を過ぎていたので受け付けない」というのが本当の理由ではなく、”嘘も方便”的な軽はずみで不用意な判断からだったということが明らかになったのです。
「出陳拒否」の判断の背景にある、前アジアディレクターの判断の”いい加減さ”まで炙り出せたのは裁判の大きな効用だった思わざるを得ません。
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