「出陳拒否」裁判、証人尋問で何が明らかになったか(5)
TICAのショールール22.4.1(当時)を巡っては、あたかもアクトが「違反した」とか「抵触した」かのように言われ続けていますが、12月12日の証人尋問でも質問が出ました。
その前に、当時(改正前)の22.4.1はどのようなものであったかというと、以下のようなものでした。
「ショー開催日初日の30日前までにショーライセンスが発行されていなければ、猫はショーに出陳してもリジョナル賞、インターナショナル賞やタイトルポイントを獲得できない」--。
しかし、実際のところ、このルールが厳密に適用されたことはなく、TICAではショーライセンスが発行されていなかったショーでも、参加した猫の「ポイント」は認められていました。
当時(2012年度)に限っても、30以上のショ ーで、そのような状態であったことは、当時のTICA会長自身がリストを投稿して明らかにしていました。(※そのリストの中にはアジアディレクターがオーナーのクラブも含まれていました)
ちなみにアクトが2009年4月29日に開催したショーもライセンス発行は30日前を切っていましたが、何の問題も起きませんでした。
ですから、仮に当時の22.4.1をアクトの2013年4月ショーだけに適用し、参加した全ての猫のポイントを無効にした場合、同じ状況下でショーを開いた全てのショーで、参加した猫のポイントを無効にしなければなりませんでした。
さらに、それより過去のショーにおいて、なぜTICAのボードは22.4.1を厳格に適用せず、見て見ぬふりをしていたのかも厳しく問われたことでしょう。
もし仮に、この22.4.1をもってアクトが「ルールの盲点を突いた」と言うなら、アジアディレクターがオーナーのクラブも「ルールの盲点を突いた」ショーを開いたのであり、過去何年にもわたって世界中の多くのクラブが「ルールの盲点を突いていた」ということになります。
12月12日の証人尋問では、アジアリジョンセクレタリーに対する反対尋問で以下のようなやり取りがあり、当時の22.4.1を巡り、主催クラブが「違反したか」「違反していなかったか」を問えないルールであったことを認めました。
原告側弁護士:「(2013年4月29日の)アクトのショーで(参加した猫に)ポイントを与えると
決めたのはTICAではないですか?」
セクレタリー:「その通りです」
原告側弁護士:「そうする と、(アクトの)ショー自体は問題ないのではないですか?」
セクレタリー:「アクトに責任はないと思っていました」
この証言からも分かるように、アクトが22,4,1に違反した事実はなく、TICAのボードが自ら定めた22.4.1を守らなかっただけのことでした。
アクトからTICAに対して、「22.4.1を適用するとアクトクラブ員のベンガル猫のポイントが失われてしまうので、適用しないで欲しい」などと働きかけたことは一切ありません。
こうした経緯ひとつ取っても、アクトの意志とは全く無関係に、全く別のところで判断が下され、その結果としてもたらされた事態について、アクトが”スケープゴート”のように責任を負わされたというのが真相であることが分かって頂けるかと思います。
« ルール改正案の投票結果を分析すると…(2) | トップページ | 「ご挨拶」という名の”怪文書”(1) »
「出陳拒否裁判 証人尋問リポート」カテゴリの記事
- 実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(36)(2017.05.18)
- 実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(35)(2017.05.17)
- 実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(34)(2017.05.16)
- 実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(33)(2017.05.15)
- 実録「出陳拒否」裁判、被告側証人尋問(32)(2017.05.14)