続・「アルター」のファイナル変更を考える(9)
アジアリジョン公式サイトのルール改正案の翻訳がアップされ、「アルター」のファイナル表彰の要件緩和について、 以下のような翻訳が掲載されています。
「TICAはすでにアルターをスペシャリティーのクラスでLHとSHに分けており、頭数に関わらずTOP5の賞を出している。 結果、これをオールブリードクラスにおいて猫数にかかわらずTOP10の付与まで伸ばすべきではない」--。
アジアメンバーから、「このくだりが全く理解できないので、 どう解釈すればいいのか教えて下さい」 というご質問を受けました。
確かにこの翻訳だけを読んでも、 TICAで長年活動しているジャッジ、ベテランメンバーでさえ、「?」と首を傾げるてしまうかと思います。
英語の原文は以下のようになっています。
「TICA already splits the Alters into LH and SH Speciality calsses and offers a Top 5 regardless of count. As a result, this should not be a stretch to offer a Top 10 Alter Allbreed class regardless of count」--。
TICAのショーの仕組みを全く知らない翻訳家(翻訳会社) が訳すと、文脈を無視したこういう訳し方になるという典型的な事例であり、それをしっかりチェックしないとこうした訳の分からない翻訳がそのまま掲載されてしまうという典型例でもあるでしょう。
ポイントは「a stretch」の訳し方にあります。
翻訳家(翻訳会社)は、「伸ばす」 と動詞的な使い方で訳しましたが、 原文は名詞として使っていますから、「拡大解釈」や「こじつけ」 と言った意味に訳すべきでしょう。
つまり、 分かりやすい解釈を含めて翻訳すると次のようになります。
「TICAでは既にアルター(の審査)をスペシャリティー(リング)としてLHとSHに分けており、カウントにかかわらず「TOP5」(のファイナル)を提供しています。( しかしそうだからと言って)、オールブリード(=LH+SH) において、結果として猫数にかかわらず「TOP10」( のファイナル)を提供しているのだとこじつけて(拡大解釈して)考えるべきではありません」
これでもまだ分かりにくいかもしれませんが、 さらに説明を加えればこういうことになります。
「TICAではABリングをLHとSHに分けて、それぞれ「 TOP5」を表彰しているのだから、 ABリングがLHリングとSHリングを合わせたものであるからと言って、 ファイナル表彰においても10頭分を表彰しているのと同じであるとの考え方もあるかもしれませんが、そういう”こじつけ” をすべきではありません」
きっと改正案を発案する段階で、提案者に対して誰かがこういった”疑問” を呈したのかもしれません。
それに対して提案者は、ABリングが「LH+SH」 という考え方を、ファイナル表彰の数においてもそうだというように単純に考えてはならない必要性を訴えたというわけです。
まだ投票 されていない方はご参考にして頂ければ幸いです。
※本日も2本をアップする予定にしています。2本目は18:00の予定です。