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2016年10月 8日 (土)

「ショーキャット」に育てるも潰すもジャッジ次第

感情や思っていることが如実に表情や態度に表れる人もいれば、全く表れない人もいます。

ストレスも同じ…。

ストレスを感じるとすぐ表情や態度に出る人もいれば、全く表情や態度には出ず、内に秘めてしまうタイプの人もいます。

特にストレスに限って言えば、内に秘めてしまうタイプの人の方が深刻な事態を引き起こすことが多い傾向にあるようです。

猫も同じでしょう。

ストレスを感じるとじるとすぐ表情や態度に出る猫もいれば、ストレスを内に秘め表情や態度には全く出ない猫もいます。

それを、ストレスが表情や態度に出る猫を見て、「ブリーダーとして恥ずかしく思いませんか」と言うのであれば、色々なタイプの猫がいる中で、目に映るうわべだけで判断してそういうことを言うことこそ、「恥ずかしく思いませんか」と思ってしまいます。

そもそもキャットショー自体が人間の”エゴ”に猫を付き合わせているものではないでしょうか…。

シャンプーがストレスになる猫もいるでしょうし、シャンプーは好きでもドライヤーがストレスになるという猫もいるでしょう。

20~30分のドライブならストレスに感じなくても、1時間、2時間のドライブだとストレスに感じる猫もいるでしょう。

ショー会場の雰囲気自体がストレスになる猫もいるでしょうし、見知らぬ人間の声を聞くだけでストレスになる猫もいるでしょう。

表情や態度に出ていなくても、猫が感じるストレスは枚挙にいとまがないはずです。

一方、ブリーダーによって出陳方針もまちまちだと思います。

猫の性格によって出陳方針をケース・バイ・ケースで変えるブリーダーも多いかと思います。

キツンの早い段階からショーに出して慣れさせた方がいいケース、キツン時代は出さなくても大人になって突然出し始めても大丈夫なケース--。

いい成績が付いてこないキツン時代に無理に出し続けるより、体ができ上がり始め、成績も付いてくるであろうチャンピオンシップから出すという判断もあるでしょう。

そうした場合、猫はショー会場の雰囲気にもジャッジテーブルの上でのハンドリングにも慣れていないわけですから、怯えたり震えたりして当たり前ではないでしょうか。

何回も続けてエントリーすることで、その猫は「ショー会場は怖がる必要がないところなんだ…」、「ジャッジさんは優しい人ばかりだからジャッジテーブルで怯える必要なんてないんだ…」ということを学んでいくのです。

ジャッジを通じ、多種多様な人間と触れ合うことで、人間全般に対する信頼感が醸成され、ジャッジはその猫の精神的な成長を見届けるのです。

ジャッジは継続的な審査を通じ、単に肉体的な成長だけを見るものではないはずです。

私は、信頼関係の醸成を通じた猫の精神的な成長を見るのも真のTICAのジャッジだと思っています。

怯えたり震えたりしている猫を愛情あるハンドリングで、意味なく怯えることのない、真の意味での”ショーキャット”に育てていくのもジャッジの”役割”であり、そうした”役割”を放棄して、ブリーダーに「恥ずかしく思いませんか」と批難することなどあってはなりません。

逆に、ジャッジがショーキャットの”卵”を”潰す”ことも簡単でしょう。

ショー慣れしていない猫に雑なハンドリングをすれば、人間に対する不信感は募り、ストレスはさらに増すことでしょう。

ブリーダーの努力とジャッジの配慮がうまく噛み合ってこそ、真のショーキャットが生まれ、育てられていくのではないでしょうか…。

もちろん、天才のように生まれた時からショーキャットという猫もいるかもしれませんが、そうした猫しかショーに出てはいけないとしたらショーは成り立ちません。

私が目指すTICAアジアのキャットショーは、ブリーダーの努力とジャッジの配慮がうまく噛み合ったショーであり、出来上がったショーキャットを審査するだけでなく、継続的な審査を通じて、ジャッジが真のショーキャットを育てていくショーなのです。

決して猫のうわべの表情や態度だけで判断して、そのブリーダーに「恥ずかしく思いませんか」と軽はずみに批難し、出陳するのを止めさせるようなショーではありません。

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