「偽りても賢を学ばんを賢といふべし」…
「人の心すなほならねば、偽りなきにしもあらず」
「されども、おのづから正直の人、などかなからん。おのれすなほならねど、人の賢を見てうらやむは尋常なり」
「至りて愚かなる人は、たまたまた賢なる人を見て、是を憎む」
「『大きなる利を得んがために、少しきの利を受けず、偽りかざりて名を立てんとす』とそしる」
「おのれが心に違へるによりて、この嘲りをなすにて知りぬ、この人は下愚の性移るべからず、偽りて小利をも辞すべからず、かりにも賢を学ぶべからず」
「狂人の真似とて大路を走らば、則ち狂人なり」
「悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり」
「驥を学ぶは驥のたぐひ、舜を学ぶは舜の徒なり」
「偽りても賢を学ばんを賢といふべし」