一躍、脚光を浴びる「クレーブン会長」
正直言って、よくは知りませんでした…。
国際パラリンピック委員会(IPC=International Paralympic Committee)という組織も、 その会長(president)のクレーブン氏(Sir Philip Craven)のことも…。
しかし、国ぐるみの組織的なドーピングを行ったロシアに対し、毅然とした態度でロシアを「リオ大会」から締め出す決断をしたクレーブン会長は、一躍、”時の人”になりました。
スポーツ仲裁裁判所(CAS=Court of Arbitration for Sport)が、ロシア側によるIPCによる処分取り消しを求めた提訴を却下することを決めた際に出したクレーブン会長の以下の声明は歴史に刻まれることでしょう。
「我々の強い信念が明確に示された。ドーピングがパラリンピックに入り込む余地は一切ない」(“Today’s decision underlines our strong belief that doping has absolutely no place in Paralympic sport”)--。
しかも、これは文字通り、「苦渋の決断」「身を切る決断」だったはず…。
なぜなら、パラリンピックの「高潔さ(Integrity)」は保たれましたが、チケット販売は不調で予算割れの事態に陥っているのです。
ロシアは障害者スポーツでも強豪国。「リオ大会」では18競技で、267選手の出場枠を得ていました。
「せっかく盛り上がりを見せてきた障害者スポーツの発展に水を差しかねない」と、クレーブン氏の意見に反対の関係者も多かったはずです。
そうした反対を押し切っての決断は、「リオ五輪」の曖昧な決断との対比で、ますますその高潔さが際立つ形となりました。
翻って、猫界にあっては誰が毅然とした態度でこうした強い信念を表明してくれるでしょうか。
「依怙贔屓や情実がキャットショーに入り込む余地は一切ない」と…。