「もっと打って来い」と挑発するポーズ
打たれても「効いてないよ」と首を振り、「もっと打って来い」と挑発するポーズを取る--。
プロボクシングファンに言わせると、これはよくあるシーンなんだそうです。
しかし、勝敗の行方を意味するところは全く逆…。
効いているからこそ「効いてない」ふりを装い、追い詰められているからこそ「打って来い」と挑発せざるを得ないのだそうです。
挑発するポーズを公然とアピールするのは、瀬戸際まで追い詰められた状態であることを窺わせます。
最後のパンチがどのようなものなのかは様々だそうですが、「効いていない」ふりをしていても、最後のパンチをもらうと静かに崩れ落ちるそ うです。
仮にゴングに救われてコーナーに戻れたとしても、自らを奮い立たせようにも、もはや立ち上がることはかなわないとか。
1975年にマニラで行われたモハメド・アリVSジョー・フレイジャーの第3戦--。
機関車のような突進力とスタミナを兼ね備えていたことから、「スモーキン・ジョー」と称されたジョー・フレイジャーでさえ、14ラウンド終了後、コーナーに戻りましたが、15ラウンド開始のゴングを聞くことはありませんでした。