猫界における「プロ意識」について考える(4)
「プロ」と「アマ」を分けるもののひとつに、「要求水準の高さ」があるかと思います。
「プロ」としてストイックなまでの「要求水準」を自らに課してこそ、「アマ」とは異なる高みに到達できます。
逆に言えば、「アマ」が「アマ」にとどまる所以は、その「要求水準」の低さと言えるでしょう。ある種の「甘さ」と言い換えてもいいかもしれません。
アジアディレクターは、あるネットサイトのインタビューで、ペットショップにおける子猫の販売について、「生後56日以降の販売に関してどう考えますか?」と聞かれ、以下のように答えました。
「法律が改正されてずいぶんよくなったと思っています」「生後56日頃はちょうど 1回目のワクチン接種の時期にあたります」「販売は法律上可能にはなりますが、この1回目のワクチン接種で免疫が付かない子もいるので、できれば2回目のワクチン接種後の、体調の良いときに販売されるのが理想です」--。
「ただ先天的な内臓や骨格の異常などは、生後4カ月あたりから出てくることが多いのです。ですから、生後4カ月を過ぎている健康な子をお選びくださいといいたいところですが、このころはコロコロとしたかわいらしい子猫から縦に成長をする子猫の変貌期にあたるので……。実際にこれを広めていくのは難しいのかなと思いますが、私はぜひとも推奨したいですね」--。
生後何日目から販売するのが適切かを巡っては、人によって色々な考え方があるでしょうから、TICAのメンバーの中でも意見は分かれるかもしれません。
しかし、TICAはペットショップ業者の団体ではなく、良識と常識を持った猫愛好家の団体であるとするなら、「実際にこれを広めていくのは難しいのかなと思いますが、私はぜひとも推奨したいですね」というのは明らかに「要求水準」が低いと思えてなりません。
世界を見回して、良識と常識あるTICAのブリーダーが果たして生後56日で子猫を譲渡しているでしょうか?
そもそもペットショップという業態が、諸外国に比べて緩い規制の中に置かれている日本にあって、高い「要求水準」を掲げて改善に取り組むのが真の猫愛好家であり、TICAアジア のトップではないでしょうか…。
「実際にこれを広めていくのは難しいのかもしれませんが、子猫の幸せを考えれば当然のことであり、必ずや変えて行きたいと思います」と言えるトップであって欲しいと思います。