猫界における「プロ意識」について考える(12)
「対価を得る」あるいは「お金を稼ぐ」のが「プロ」であり、そうでないのが「アマ」という考え方もあります。
本業としているのが「プロ」で、趣味の域を出ないのが「アマ」という考えもあるでしょう。
アジアディレクターの姉は、6年前の「陳述書」で、「私は、このブリーダーの仕事を生業としているわけではありません」と述べていましたから、その意味で「プロ」ではないのかもしれません。
しかし、一方でこの姉は、同じ「陳述書」において、「キャットショーに携わっている経験年数が長く、既にこれまで数々のタイトルを受賞する猫を育成してきた」と強調していますから、「プロ意識」は持っていると考えられます。
前振りが長くなりましたが、TICAという団体そのものも、「プロ」か「アマ」かという点において、曖昧な位置づけであると言えるでしょう。
一般企業が営利法人であるのに対して、TICAは非営利法人ですから、営利法人から見れば、TICAは「アマ」かもしれません。
しかし、その役割と使命という点から考えるなら、「プロ意識」を持たないとやっていけませんし、当然、TICAのジャッジ、ブリーダーとも「プロ意識」を持って携わるべきと言えます。
アジアディレクターはあるネットサイトのインタビューで、「TICAとはどういう組織なのか?」と聞かれ、以下のように答えていました。
「1979年に設立された純血種および家庭猫(ハウスホールドペットキャット)の世界最大の血統登録団体であり、そしてキャットショー公認機関としても世界級です」--。
確かに、ある一面ではその通りかもしれませんが、大切な点が抜け落ちています。
それは、TICAは単なる任意団体ではなく、米国会社法の適用を受けた非営利法人だという点です。
これは、TICAのボードメンバーが日本の会社法で言うところの取締役に相当し、ボードメンバーには米国会社法が定める取締役としての義務が課せられているということを意味します。
しかし、アジアディレクターにはそうした意識が欠けているとしか思えない発言が目立ちます。
そもそも、そうした意識があるなら、「TICAとはどういう組織なのか?」と聞かれた際に、必ずや「米国テキサス州に本部を置き、米国会社法の適用を受けた非営利法人です」という説明が入るだろうからです。
自分が所属する団体、自分がそのボードメンバーでもある団体について、正確な知識と認識を持たず、正確に説明できないところにも「プロ意識」の欠如が透けて見えます。
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