猫界における「プロ意識」について考える(1)
「TICAの使命のひとつとして『TICAが公認するキャットショーはプロフェッショナルな方法で純血種および非純血種の猫を推奨し、ショーが出陳者、ジャッジそして一般の方にも楽しくかつ教養を得られるものとする』とあります」--。
「TICAのショーに参加・来場することで楽しみながら猫に関する知識を高めていただきたいです。ですから、みなさんぜひキャットショーに来てください」--。
このインタビューが掲載されたのは、2015年10月16日です。
アジアディレクターはこう話しながら、一方ではその前年から、自分の気に入らない出陳者に対しては不当な「出陳拒否」を繰り返していました。
アジアディレクターとその姉のクラブ代表、そしてエントリークラーク2人が東京地裁に訴えられたのは2014年7月でした。
インタビューが掲載された2015年10月16日の時点では、東京地裁ですでに不当な「出陳拒否」裁判は、10回の期日が開かれていたのです。
そもそも、このインタビューが掲載された半年前の2015年4月25~26日には、アジアディレクターが実質的なオーナーのクラブにおいて、”動物虐待”まがいの行為があり、その年の9月のボードで「1000ドルの罰金」と「1カ月のショー開催禁止処分」が科せられていました。
TICAの看板に泥を塗ったディレクターが、TICAやTICAのショーについて語る資格が果たしてあるのでしょうか?
インタビュアーが猫界やTICAと無縁な人であったのなら仕方ありませんが、このインタビュアーはそうした”素人”ではありません。
掲載のタイミングから言って、不祥事から目を逸らさせようと、”提灯インタビュー記事”を掲載したと勘繰られても仕方ないでしょう。
ちなみにこのインタビューを掲載したサイトの運営会社は、東証一部上場企業の全額出資子会社です。
良識と常識ある東証一部上場企業であれば、不当な人権侵害と差別を繰り返して東京地裁に訴えられ、自身がオーナーのキャットクラブが所属団体から処罰を受けたような人物のインタビューを掲載するはずがありません。
もし、このインタビュアーがこうした事実を会社側に隠して掲載したのならインタビュアーの責任は重大ですし、仮にインタビュアーが一連の不祥事や裁判のことを正確に会社側に伝えたにもかかわらず、会社側が「GOサイン」を出したのであれば、会社側のコンプライアンス(法令順守)に問題があると言えるでしょう。
それでも、掲載に当たって「問題ない」というのであれば、どうして「問題ない」と言えるのか、その根拠と理由をこのインタビューを警察した会社側に質したいと思います。