猫裁判、驚くべき6年前の「陳述書」(3)
アジアディレクターはネットサイトのあるインタビューで、「TICAに所属するブリーダーは猫を知り尽くしたプロ集団です」と胸を張っていました。
真の意味で「プロ」かどうかは別にして、少なくとも”プロ意識”を持った集団であって欲しいと思いますし、そうあるべきだとは思います。
しかし、本当に「猫を知り尽くしたプロ集団」であるなら、猫の病気についてもそれなりに詳しいはず…。ところが、アジアディレクターの姉は、6年前の「陳述書」で以下のように書いていました。
「私や○○(アジアディレクター)の知るところによれば、カリシウィルスとは、通称『猫風邪』と呼ばれる病気で、(中略)通常は1~2週間程度で回復し、1度この病気に罹患して、回復した猫には体内に免疫ができるため、ほとんど再発することはない病気であると理解しています」--。
「そして、カリシウィルスは、子猫期に2回、その後は年1回の提起ワクチンを接種することにより予防できるものとされています」--。
「私や○○(アジアディレクター)の知るところによれば、ワクチン接種を行っている限り、カリスウィルスに罹患することはほぼ皆無です」--。
確かに、カリシウイルス(FCV)について、一般的にはこんな感じで言われているかもしれませんが、これが「プロ集団」を名乗るブリーダーの発言と言えるかというと首をかしげてしまいます。
もちろん、「プロ集団」だからと言って獣医師並みの専門知識を求めているわけではありません。「プロ集団」を名乗るからには「プロ集団」に相応しい知識や説明の仕方があるように感じるのです。
第1に、FCVはひとつの型(株)しかないわけではありません。いくつかの型があり、ある型(株)に対する免疫が出来たとしても、別の型(株)のFCVに感染することがあります。
例えば、猫のワクチンに「7種混合」というものがありますが、これは7種類の異なるウイルス感染症に対応したものではなく、3つの異なる型(株)のFCVに対応したものを含めて「7種」となっているに過ぎません。
第2に、FCVは確かに「猫風邪」と言われることもありますが、決して軽い感染症と侮れません。なぜなら、全身感染を引き起こす強毒全身性FCVもあるからです。
第3に、仮にFCVを疑う症状が出ていなくても(感染後、回復したように見える場合を含む)、感染していた場合、長期間ウイルスを排出し続ける(概ね30日前後あるいはそれ以上、場合によっては数年にわたる)ケー スがあるということです。(不顕性感染も含む)
第4に、FCVの感染力(伝播力)は非常に強いうえに、変異も激しい点に留意しておく必要があります。
「プロ集団」を名乗るからには、FCVに関して少なくとも以上の点は踏まえておいてほしいですし、まして東京地裁で陳述するのであれば、”プロ意識”を持った集団のブリーダーの名に恥じない陳述をしてほしかったと思います。
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