4月の静岡ショー巡る意味不明な「アンケート」(8)
何が”動物虐待”まがいの行為に当たるのか--。
「ペットキャリー」に入れ、”バケツリレー”さながらに次から次へとリングまで運んだことではありません。
猫がくつろぎ、動き回り、リラックスできるであろう控えケージが用意されているにもかかわらず、控えケージの半分以下の大きさの「ペットキャリー」にベンガルの成猫を押し込め、ごはんも水も与えずにいたことが問題なのですが、出陳者も代理人もショーコミッティメンバーも気にする様子はありませんでした。
小さな「ペットキャリー」ですから、猫トイレを入れるスペースはありません。控えケージの中にペットシーツが敷かれ、その上に「ペットキャリー」が置いてあるだけでした。
ペットショップでも、販売・展示用ケージには自動給餌・給水器を付けているところが多いかと思いますが、そうした器具も付けてありませんでした。
控えケージがこのような状態なのですから、審査ケージに入れられた時にスプレーではなく、本格的におしっこをしてしまう猫が相次いだのも納得して頂けるでしょう。
この出陳者も代理人もショコミッティーメンバーも動物福祉に関する「5つの自由の原則」を知らないように思えてなりません。
「5つの自由の原則」には「飢えと乾きからの自由」「肉体的苦痛と不快からの自由」「恐怖や不安からの自由 」「正常な行動を表現する自由」が明記されているのです。
ショー会場にこの出陳者がいなかったわけではありません。
代理人が会場内に全くいなかったわけでもありません。
出陳者自らが会場内にいて、代理人が何人もいたにもかかわらず、20頭以上のBGがごはんも水も与えられず、トイレも満足にできず、立つことも動き回ることも体を伸ばすこともできない小さな「ペットキャリー」に押し込められていたのです。
世界中の愛猫家、世界中のTICAメンバー、世界中の動物福祉団体がこのショーを問題視したことは当然ではなかったのでしょうか…。
クラブオーナーは「アンケート」と一緒に添えた手紙の中で、「○○○(このクラブ名)は悪質なキャットショーを開催したとされました」と書きましたが、まさに「悪質なキャットショー」であり、だからこそTICAは「罰金1000ドル」と「ショー禁止」処分を科したのです。
《BGブリーダー(出陳者)、代理人らは会場内にずっと居たにもかかわらず、ショーの間、彼らがベンガルにごはんや水をあげる光景を見かけることはありませんでした》