「支配からの脱却」には時間がかかる
アウン・サン・スー・チー氏が党首として率いる国民民主連盟(NLD)が上下両院の単独過半数を占めることになり、政権交代が確実になりました。
次期政権は「国軍支配からの脱却」と「民主化の前進」を掲げる見通しですが、政治手腕が未知数であることも事実でしょう。
しかし、ここまで辿り着くのにかかった時間を思えば、彼女がなし遂げたことの大きさには驚くばかりです。
彼女がミャンマーに戻ったのは30年近く前の1988年。その翌年から6年間、自宅軟禁を強いられます。
1991年にノーベル平和賞を受賞したものの、自宅軟禁中のため授賞式には出席できず、受賞演説を行ったのは 21年後の2012年でした。
その後も度々、解放と自宅軟禁が繰り返され、本当に軟禁を解除されたのは2010年になってからです。
「支配からの脱却」と「民主化の前進」は困難を極める仕事であり、軍主導の政権が幕を下ろすまでに半世紀を超す時間がかかったのです。
特に長年にわたり強固な基盤を築いてきた独裁者や政権、組織を倒し、新しい体制を築くのは簡単でもなければ短い期間に出来るわけでもありません。
アウン・サン・スー・チー氏はこう言っています。
「民主主義は一言でいえば責任です。リーダーが責任を持つと同時に国民も責任を持つ。一方だけが責任を持つということはあり得ません。ある意味では独裁主義よりきついものといえます。その責任を両方がまっとうできて初めて自由を謳歌できるのです」--。
※本日も2本をアップする予定です。2本目は18:00を予定しています。
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