裁判、大きく動く可能性も(2)
「出陳拒否」を巡る裁判が大きく前進する--。それは確かに歓迎すべきことなのですが…。
と、私は思ってしまうのです。
なぜなら、今回の「出陳拒否」の問題において、そもそもどうして「裁判所の出る幕ではない(司法権が及ばない)」というような主張が出てくるのか、私には全く理解出来ないからです。
被告側のこうした主張に対して原告側は、5月27日の第6回期日において「団体がその運営のために一般的な規律を定めることと、そのこと故に当該団体が司法権の及ばない自律性を有することになるか否かは全く別の問題である」と反論したそうですが、私も素直にその通りだと思います。
原告側はさらに、「被告側の主張に従えば、内部規律を定めた団体は、すべて司法権が及ばないことになるが、極めて広範に司法権の限界を設けるものであり、法の支配を揺るがす主張であって失当である」とも反論したとのことですが、これもまた当然と言えば当然のことのように私には思えるのです。
しかし、この被告側の主張で明らかになったのは、TICAのボードメンバーの中に少なくとも1人は、「裁判所の出る幕ではない」というような考えを持ったディレクターがいたということ、TICAアジアの中に少なくとも4人は、この考えを持ったメンバーがいたということでした。
もしかすると裁判の結果より、この事実の方がTICAアジアの将来を考える上で重く悲しい現実を突き付けているのかもしれません。