”自浄作用”が働かない組織の末路
突然降って湧いたようなニュースと思った方も多いかもしれません。
国際サッカー連盟(FIFA)の贈収賄事件です。
米司法省はFIFA副会長ら14人を贈収賄やマネーロンダリング(資金洗浄)などの罪で起訴しました。
しかし、ちょっとサッカーに詳しい人なら「ようやくか…」という人と、「遅きに失した」という人の声が交錯するかもしれません。
開催地の招致を巡る買収工作などは長年にわたって疑惑が持たれ続けていたわけで、今回の捜査対象が1990年代初頭にまで遡ることを考え合わせれば、その根の深さが分かるかと思います。
数々の疑惑が浮かんでは消えても買収工作の“伝統”は脈々と受け継がれ、「自浄作用」は全く働かなかったようです。
米司法長官は、「FIFA幹部は自己の利益のために地位を濫用し、汚職は20年以上にわたって繰り返されてきた」と強調しました。
ある解説記事にはこんな事が書いてありました。
「どこまで真相が明らかにされるのかは不明だが、FIFAが長い間ためたウミを全て出し、金権体質、汚職体質を改善するきっかけを得たのは確かだろう。それが”外圧”だったのは悲しい」--。
”自浄作用”が働かず、”外圧”によってしか改善のきっかけをつかめない組織・団体の末路を垣間見た気がします。