最後の最後に起きた大問題(8)
前シーズン最後に静岡で開かれたショーに関して、アジアディレクターを務めるクラブオーナーは「何の問題もないショーだ」と言っていると聞きました。
おそらく、ショーコミッティーメンバー、クラーク、会場内にいたリジョンセクレタリーを含め、「何か問題があったの?」みたいな感覚だったのだと思います。
そうでなければ、会場内はショーどころではない大騒ぎになっていたからです。
では、なぜ何も起こらず、大変なことにならなかったのでしょうか?
答えは簡単です。TICAのルールに精通している人が誰もおらず、「動物愛護」の精神に敏感な出陳者がいなかったからに他なりません。
ルールを知らないなら、何がルール違反に当たるか分かるはずがありません。
動物愛護の精神を持たないなら、会場内で猫がどんな扱われ方をしていても何も感じないでしょう。
仮にジャッジがルール違反を犯しても、クラークや出陳者に正確なルールの知識がないなら、注意や指摘のしようもないのです。
そして、ジャ ッジや出陳者がいくらルール違反を犯しても、ショーコミッティーにTICAのルールに精通している人物がいなければ、これまた注意のしようもないというわけです。
実に恐ろしい”負の連鎖”というか、”無知の連鎖”です。
前シーズン末のショーは、まさにそれを「これでもか!」というばかりに露呈したショーでした。
注意しようにも、アジアディレクターを務めるクラブオーナー自ら、「何の問題もない」と言い切っていたわけですから、もはや現場で何を言おうと無駄だったのです。
TICAのボードなり、裁判なりで判断を仰ぎ、ルール違反や不正、倫理規律違反を問うていかねばなりません。