今シーズン最後のショー、突然のキャンセルに唖然!
アジアディレクターを務めるオーナークラブによる4月29日のショーが2週間前になって突然、キャンセルになりました。
このキャンセル劇を検証するとともに、何が問題なのかを改めて考えてみたいと思います。
①出陳者不在
出陳者にとっては今シーズン最後のショーです。それが2週間前に突然、キャンセルになるわけですから影響は大きいでしょう。
「最後まで頑張って何とかRWに入りたい」とか「最後のショーにタイトルを賭けよう」とか思っていた出陳者もいたはずです。
キャンセルするにしても、その理由をTICAアジアメンバーにしっかり伝えるとともに、突然のキャンセルという”非礼”を素直に謝罪すべきではないでしょうか…。
単に猫が集まらないとか、クラブの会計が赤字になるとか、あるいは一部の出陳者や猫にとってもうショーは必要ないからという理由でキャンセルしたのであれば、言語道断と言わざるを得ません。
②”マッチポンプ的”なお粗末な対応
12日のショー会場に居た方はよくご存知のことと思いますが、クラブオーナー自らがショー会場で4/29のフライヤーを配布する指示をし、実際にフライヤーが配布されました。
そのわずか2日後に突然のキャンセルです。まるでお粗末としかいいようがありません。
③言行不一致
このクラブオーナーらは2013年6月16日に開催された「クラブ代表者・ジャッジミーティング」において、「ショー開催日60日を切ってキャンセルを申し出た場合にはリジョンにペナルティを支払うべきだ」という主張をしました。
そのクラブが2週間前に突然、大事な年度末のショーをキャンセルしたわけですから、このクラブの主張はもはや聞くに値しないと思われても仕方ないのではないでしょうか…。
④判断の浅はかさと遅さ
そもそも4月29日のショーを巡っては、かなり早い段階で良識と常識あるTICAメンバーから疑問の声が上がっていました。にもかかわらず、アジアディレクターを務めるクラブオーナーは強行しよ うとしたわけです。
出陳者のことを考えればなおのこと、初めから4月29日のショーなど入れるべきではなかったのです。2週間前になってのキャンセルなどもっての外であり、トップの判断の浅はかさと遅さをさらけ出したに過ぎません。
⑤アジアディレクターとしての無責任さ
4月29日のショーを巡っては、2年前のアクトのショーでその是非や賛否が問われました。
しかし、TICAアジアのメンバーの何人が、アジアディレクターがこの問題についてボードでどんな意見や考えを述べ、ボードでどんな議論があり、結果としてどういう扱いになったかを知っているでしょうか?
前アジアディレクター、現アジアディレクターはTICAアジアメンバーに対し、分かりやすく正確に説明するべきだったにもかかわらず、その責務を放棄したのです。
組織のトップとして「説明責任」を一切、果たさなかったのです。
次のディレクターには必ずや、しっかりと「説明責任」を果たせるメンバーを選ばねばなりません。
⑥世界に晒した日本の”大恥”
何人のTICAアジアメンバーが知っていたか分かりませんが、今回の件はFacebook(FB)のTICAのページにおいて、欧米のメンバーを含め多くの書き込みがされました。
それを”炎上”というのかどうかは別にして、私が読む限り、様々な意見が出て、極めて有意義な議論が行われたと思っています。
日本における4月29日のショーはルール違反なのか? ルール違反でなければ何をしてもいいのか? スポーツマンシップに則ったショーの入れ方なのか?--等々。今回の問題は様々な視点から見る必要性があることを改めて投げかけました。
しかしその一方で、今回の件を通じて日本の”大恥”を再び晒したことも確かです。
結果的にキャンセルになったとは言え、キャンセルにするぐらいなら初めからこんなショーを入れなければ良かっただけではないか…と、世界中の多くのメンバーが思ったはずです。
⑦ルール改正の盲点?
今回、なぜアジアディレクターを務めるオーナークラブが4月29日にショーを開こうとし、2年前は反対していた前アジアディレクターまでジャッジを引き受けたのか…。
もちろん、真相は分かりません。しかし私には、前アジアディレクターと現アジアディレクターだけが知っている”ルールの盲点”を突いたと思わざるを得ないのです。
それは、2年前のアクトの4月29日のショーを受け、「Show Rules」が微妙に改正されたからです。
この件は別の機会に詳しく解説したいと思いますが、要は「3dayショー」の定義をはっきりさせたことに尽きます。簡単に言えば、「金・土・日」の3dayショーも、「土・日・月」の3dayショーも同じ扱い、同じルールが適用されることになったのです。
逆に言うと、4月29日は日本の祝日でもあり、ショーを開くことは何ら問題ないないことがボードで暗黙の前提として認められたとも考えられます。
その経緯を詳細に知っているのは前アジアディレクターと現アジアディレクターだけです。
だからこそ、現アジアディレクターを務めるクラブオーナーは平然と、そして堂々と4月29日にショーを入れ、前アジアディレクターもまた平然と、そして堂々とジャッジを引き受けたと考えられます。
日本における4月29日の問題を正面から捉え、ボードにおいて透明性のある議論を促し、しっかりとルール化できる人物がアジアディレクターにならなければ、日本の”恥”をさらすような出来事は今後も続くことでしょう。