裁判で飛び出した呆れた主張(1)
「キャットショーへの出陳と交配は本来無関係」--。
「(雄猫は)雌猫と交配をしながらキャットショーへの出陳を継続することについて何ら問題はない」--。
アジアディレクターを務めるクラブオーナーら被告側が15日の裁判の第5回期日において、こんな陳述をしたと聞き、改めて呆れ果ててしまいました。
真剣にキャットショーに取り組み、アワード表彰を目指して走っているショーキャットブリーダーにとって、猫のコンディショと交配が「無関係」であるはずはなく、交配に使えば必ずやコンディションが落ちることは当たり前のことです。
「IW」や「LA」を目指してシーズンを走ろうと思ったら、特に雄猫の場合、 「交配」に使うなどもっての外ですが、アジアディレクターを務めるクラブ オーナーやエントリークラークら被告側にはそれが全く理解出来ないようです。
まともなジャッジであれば、交配に使ったかどうか、その猫のコンディションを見ればすぐに見抜けますし、コンディションがわずかに落ちただけで順位が下がるのも当然のことです。
1年間を通じてショーに参加し、ひとつひとつのリングで「Best」を競うことはまさにそういうことなのですが、TICAのディレクターでもあるクラブオ-ナーがそんなことも理解していない発言を裁判の場でするとは開いた口が塞がりません。
キャットショーと言っても出陳者は多様です。ブリーダーにも色々いて、販売目的に重点をおく人もいれば、原告側のように「スタンダード」に沿ったショーキャットの創出を専門に手掛けるブリーダーもいるのです。
こうした多種多様な出陳者、ブリーダーを十把一絡げにして、「(雄猫は)雌猫と交配をしながらキャットショーへの出陳を継続することについて何ら問題はない」と言い切るところに、TICAのディレクターとしての見識の低さが窺えます。
それとも、キャットショーやショーキャットブリーダーの事に詳しくないであろう裁判官なら、杜撰な主張をしても通じると高を括ったのでしょうか…。
私には、TICAのキャットショーだけでなく、日本の裁判官をもバカにした呆れた主張であるとしか思えないのです。