裁判で飛び出した呆れた主張(4)
「キャットショーを主催するクラブの会員によりほぼ全てが構成されている」--。
裁判の第5回期日(4月15日)において、アジアディレクターを務めるクラブオーナーら被告側は自身のクラブの「ショーコミッティー」について、こう陳述したそうです。
もちろん、それはそれで構いませんが、問題はこのクラブ員のうち誰がTICAの「Show Rules」で定める「ショーコミッティー」の要件を満たしているかということです。
改めて確認しましょう。Show Rules 29.1.1 は以下のように規定しています。
「A show committee should be appointed consisting of at least five members who are thoroughly familiar with show rules and show management」
つまり、この主催クラブにおいて誰が「ショールールとショー運営に完全に精通している」のかが重要なのです。
もし、このクラブあるいは「ショーコミッティー」に、「ショールールとショー運営に完全に精通している」クラブ員が含まれていたならば、ショーフォーマット違反も起きなければ、ショーフライヤーへの”虚偽記載”も起きなかったですし、「出陳拒否」などあり得ませんでした。
「ショーコミッティー」の構成員が全員、クラブ員でも構いませんが、それは「ショールールとショー運営に完全に精通している」クラブ員がいてこそであって、いないなら他のクラブからルールに精通したメンバーを入れる必要があります。
私は、不当な「出陳拒否」が起きたこのクラブの2つのショーにおける「マークドカタログ」を調べてみて驚きました。
2014年2月のショーでは「SHOW COMMITTEE」のところにずらりと並ぶメンバーの中に正式な「クラーク」の資格を持つクラブ員は皆無…。
2014年4月のショーではかろうじてひとりだけ「ヘッドリングクラーク」の資格を持つメンバーが入っていただけでした。
「エントリークラーク」の資格を持つメンバーは皆無…。
「マスタークラーク」の資格を持つメンバーも皆無…。
「ショールールとショー運営に完全に精通している」メンバーがいなかったというのは、明らかにTICAのShow Rules違反です。
アジアディレクターでありジャッジでもあるクラブオーナーも名を連ねていますが、数々のルール違反で「プロテスト」を申し立てられている現実を見れば、お世辞にも「ショールールに精通している」とは言えないでしょう。
他の古参クラブ員、ベテランブリーダーもいますが、ショー運営に精通していても、実際に数々のルール違反が起きていることを考え合わせれば、やはりこうしたクラブ員もショールールに精通しているとは言えないと考えざるを得ません。
TICA本部がこうした杜撰なショーの運営組織と数々のルール違反を見過ごしても、裁判という場にあって日本の裁判官までが見逃すことは決してないでしょう。