「スタンダード」に本当に忠実ですか?
「聞き捨てならないコメント」と言ったら、それは言い過ぎだとお叱りを受けるかもしれません。
しかし、そういう気持ちになるコメントが先週末のショーで耳に入ってきました。
ジャッジなら審査で見落とすことなど決してあり得ないベンガルのプロファイル…。
「スタンダード」があるにもかかわらす、ベンガルのプロファイルについては多くのジャッジが「スタンダード」に忠実ではないように見えるのも、また事実なのです。
あるジャッジからベンガルのプロファイルの説明で耳に飛び込んできたのが、「almost straight」という言葉でした。
日本語に訳すと、「ほとんど真っ直ぐ」となりますが、まさに”ほとんど”の方がこう理解しているように見えるのは困ったものです。
なぜなら、「スタンダード」には「almost straight」などとは書いてありません。改めて読んで頂きたいのですが、「nearly straight」と書いてあります。
もし、ベンガルブリーダーやジャッジの中に、「almost straight」も「nearly straight」も同じ意味ではないか!」と言う人がいたら、ブリーダー、ジャッジ”失格”だと、私は敢えて言いたいと思います。
「本質は細部に宿る」の格言ではありませんが、「almost」と「nearly」の違いを理解出来てこそ、真のブリーダー、ジャッジの証なのですから…。
答えを言う前に、こういう質問を思い描く必要があるのではないでしょうか?
なぜ、ベンガルのブリードコミッティーは、「almost straight」と書かずに「nearly straight」と書いたのかということです。
理由がない訳はありません。理由があるからこそ「almost」を使わずに「nearly」を使ったのです。
にもかかわらず、ジャッジがファイナルにおいて、「almost straight」とコメントして評価したのなら、ベンガルのブリードコミッティーを軽視し、「スタンダード」を無視したと批判されても仕方ないのではないでしょうか。
確かに、ネイティブでなければ両方の単語の微妙な意味の違いは分からないかもしれませんが、日本人にとって全く分からないというものでもありません。
辞書を引けばいいだけのことなのですが、その僅かな労を惜しむブリーダーやジャッジが多いのはとても残念なことです。
「almost」も「nearly」も、大体の辞書で=「ほとんど」と訳してありますが、よく読めばこうも書いてあるはずです。
「almostの方が接近の意味が強い」。
ベンガルのプロファイルを「almost straight」と理解している限り、「スタンダード」に忠実にベンガルのプロファイルを評価することなど出来ないのです。
ブリードセミナーや勉強会を開くことはいいことですが、単に「スタンダード」を読むだけだったり、ブリーダーの我田引水的な主張を聞くだけでは真の勉強にはなりません。
客観的事実と知識に基づいて学んでこそ、身に付く勉強会になるのだということを、TICAアジアのメンバー全員が認識する必要があります。