”○○の威を借る××”??
中国の古い諺に「虎の威を借る狐」というものがあります。
「権勢を持つ者に頼って、威張る小者のこと」の意味ですが、英語でも「 An ass in a lion's skin.(ライオンの皮を被ったロバ)」という言葉がありますから、こうした例は世界に広く見られるのでしょう。
猫の世界も例外ではありません。
自らの不勉強や知識不足、怠慢を隠すために、”虎の威”を借る人物がいることも確かです。
しかし、TICAの猫の審査における”虎”はあくまで「スタンダード」であり、”誰か”でも”誰かの発言”でもありません。
もし、「スタンダード」を無視して話すなら、それはルールを都合良く勝手に解釈するのと同様、「スタンダード」を捻じ曲げて自分に都合良く勝手に解釈しているに過ぎません。
例えば、TICAで有名な猫種のひとつ、「ベンガル」。
大きければいい、重ければいいと考えるジャッジがいるようですが、果たしてそうでしょうか?
TICA公式サイトの猫種の紹介の「特徴」のところにこう書いてあります。
「Bengals are medium to large cats, from 6-15 pounds」
日本語に訳せば、「ベンガルはミディアム~ラージの大きさで、重さは6~15ポンドである」
1ポンド=0.453 592 37キログラムですから、約2.7~6.8kgとなります。
こう明記されているわけですから、この範囲外のBGは「痩せすぎ」か「太り過ぎ」の評価となり得るでしょうし、体重コンテストや大きさコンテストではないわけですから、少なくともプラス評価になるはずがありません。
さらに、「スタンダード」では「Torso(胴体)」のところに「Medium to large (but not quite as large as the largest domestic breed)」と改めて明記してあります。
日本語に訳せば「ミディアムからラージ(ただし最も大きなドメスティック・ブリードほどではない)」となります。
わざわざ、「但し書き」として「最も大きなドメスティック・ブリードほどではない」とまで入れているわけですから、大きさコンテストになりがちな傾向にあらかじめ釘を刺していると言えます。
このように「スタンダード」に忠実に基づけば、ベンガルに関しては体重も大きさも取り立ててプラス評価につながらないことがはっきり理解できるはずです。
何よりもベンガルに問われるのは「非常に筋肉質である」かどうかなのです。
重量の下限、上限についての記載はどこにもありませんから、もし、誰かが「2kgまで許される」とか、「9kgまで許される」と発言したなら、それはあくまで個人的な見解に過ぎません。
仮に、こうした発言を「個人的な見解ですが…」と前置きせず、あたかもそれがTICAの「スタンダード」であるかのように話したなら、それは「スタンダード」を自分に都合良く捻じ曲げて解釈して話しているに過ぎません。
もし、体重の下限を「2kg」にしたいなら、あるいは上限を「9kg」にしたいなら、TICA公式HPの記載を変更するとともに、「スタンダード」を変更するのが正式な手続きです。
では、ヘッドシェイプはどうでしょうか?
この項の冒頭にこう書いてあります。
「Broad modified wedge with rounded contours. Longer than it is wide」
日本語に訳せば、「丸みを帯びた輪郭を伴う幅の広い変形くさび形。幅よりも縦の方が長い」
ベンガルの祖先であるアジアン・レオパード・キャットやF1の横顔を見れば、「幅よりも縦の方が長い」ことが特徴のひとつであることが良く理解できるはずです。
ベンガルの男の子は成熟とともに、「Jowls(顎の部分の垂れた肉)」が出てきます。
従って、成熟しても「幅よりも縦の方が長い」というヘッドシェイプの“縦横比”を維持するためには、若いうちは横幅よりも縦の方が長過ぎるぐらいでないと、成熟したときに「スタンダード」に沿ったヘッドシェイプになりません。
もちろん、「スタンダード」上は、「ALLOWANCES(許容範囲)」として「Jowls in adult males(オスの成猫の顎の部分の垂れた肉)」が含まれていますから、評価上は大目に見てもらえます。
しかし、アジアン・レパードに近い外見を持った野性的なBGという意味では、若いうちからそれなりの縦横比を維持したベンガルを創出しないと、理想のベンガルから離れてしまいます。
さて、お腹が白い、いわゆる”ホワイトタミー”はどうでしょう?
BGの「スタンダード」にはこう書いてあります。
「Virtually white undersides and belly desirable」(ほとんど白いアンダーサイドと腹部が望ましい)
「a virtually white ground color on the whisker pads, chin, chest, belly and inner legs is desirable.」(ウイスカー・パッド、顎、胸部、腹部、手足の内側はほとんど白いことが望ましい)
「スタンダード」に「望ましい」と書いてあることを評価しないなら、それは「スタンダード」に沿った審査とは言えないでしょうし、ジャッジやブリーダーが「ホワイトタミーは必要ない」と言ったなら、風上にも置けない”妄言”であると言わざるを得ません。
誰がどんな個人的な解釈や見解を話しても自由ですが、全ての解釈や意見、見解は全て、「ルールやスタンダードにこう書いてある」ということが大原則であり、大前提であることを、全てのTICAアジアメンバーは肝に銘じなければなりません。
始めに戻りますが、「誰がああ言った」とか「こう言った」ではなく、あくまで「スタンダードにこう書いてある」「こうは書いていない」ということを根本としなければ、いくら勉強会やセミナーを開いても真の勉強にはなりません。
そうしないと、結局は「スタンダード」を捻じ曲げて自分に都合良く解釈する説明に踊らされ、”大恥”をさらすだけになってしまうのです。
「権勢を持つ者に頼って、威張る小者のこと」の意味ですが、英語でも「 An ass in a lion's skin.(ライオンの皮を被ったロバ)」という言葉がありますから、こうした例は世界に広く見られるのでしょう。
猫の世界も例外ではありません。
自らの不勉強や知識不足、怠慢を隠すために、”虎の威”を借る人物がいることも確かです。
しかし、TICAの猫の審査における”虎”はあくまで「スタンダード」であり、”誰か”でも”誰かの発言”でもありません。
もし、「スタンダード」を無視して話すなら、それはルールを都合良く勝手に解釈するのと同様、「スタンダード」を捻じ曲げて自分に都合良く勝手に解釈しているに過ぎません。
例えば、TICAで有名な猫種のひとつ、「ベンガル」。
大きければいい、重ければいいと考えるジャッジがいるようですが、果たしてそうでしょうか?
TICA公式サイトの猫種の紹介の「特徴」のところにこう書いてあります。
「Bengals are medium to large cats, from 6-15 pounds」
日本語に訳せば、「ベンガルはミディアム~ラージの大きさで、重さは6~15ポンドである」
1ポンド=0.453 592 37キログラムですから、約2.7~6.8kgとなります。
こう明記されているわけですから、この範囲外のBGは「痩せすぎ」か「太り過ぎ」の評価となり得るでしょうし、体重コンテストや大きさコンテストではないわけですから、少なくともプラス評価になるはずがありません。
さらに、「スタンダード」では「Torso(胴体)」のところに「Medium to large (but not quite as large as the largest domestic breed)」と改めて明記してあります。
日本語に訳せば「ミディアムからラージ(ただし最も大きなドメスティック・ブリードほどではない)」となります。
わざわざ、「但し書き」として「最も大きなドメスティック・ブリードほどではない」とまで入れているわけですから、大きさコンテストになりがちな傾向にあらかじめ釘を刺していると言えます。
このように「スタンダード」に忠実に基づけば、ベンガルに関しては体重も大きさも取り立ててプラス評価につながらないことがはっきり理解できるはずです。
何よりもベンガルに問われるのは「非常に筋肉質である」かどうかなのです。
重量の下限、上限についての記載はどこにもありませんから、もし、誰かが「2kgまで許される」とか、「9kgまで許される」と発言したなら、それはあくまで個人的な見解に過ぎません。
仮に、こうした発言を「個人的な見解ですが…」と前置きせず、あたかもそれがTICAの「スタンダード」であるかのように話したなら、それは「スタンダード」を自分に都合良く捻じ曲げて解釈して話しているに過ぎません。
もし、体重の下限を「2kg」にしたいなら、あるいは上限を「9kg」にしたいなら、TICA公式HPの記載を変更するとともに、「スタンダード」を変更するのが正式な手続きです。
では、ヘッドシェイプはどうでしょうか?
この項の冒頭にこう書いてあります。
「Broad modified wedge with rounded contours. Longer than it is wide」
日本語に訳せば、「丸みを帯びた輪郭を伴う幅の広い変形くさび形。幅よりも縦の方が長い」
ベンガルの祖先であるアジアン・レオパード・キャットやF1の横顔を見れば、「幅よりも縦の方が長い」ことが特徴のひとつであることが良く理解できるはずです。
ベンガルの男の子は成熟とともに、「Jowls(顎の部分の垂れた肉)」が出てきます。
従って、成熟しても「幅よりも縦の方が長い」というヘッドシェイプの“縦横比”を維持するためには、若いうちは横幅よりも縦の方が長過ぎるぐらいでないと、成熟したときに「スタンダード」に沿ったヘッドシェイプになりません。
もちろん、「スタンダード」上は、「ALLOWANCES(許容範囲)」として「Jowls in adult males(オスの成猫の顎の部分の垂れた肉)」が含まれていますから、評価上は大目に見てもらえます。
しかし、アジアン・レパードに近い外見を持った野性的なBGという意味では、若いうちからそれなりの縦横比を維持したベンガルを創出しないと、理想のベンガルから離れてしまいます。
さて、お腹が白い、いわゆる”ホワイトタミー”はどうでしょう?
BGの「スタンダード」にはこう書いてあります。
「Virtually white undersides and belly desirable」(ほとんど白いアンダーサイドと腹部が望ましい)
「a virtually white ground color on the whisker pads, chin, chest, belly and inner legs is desirable.」(ウイスカー・パッド、顎、胸部、腹部、手足の内側はほとんど白いことが望ましい)
「スタンダード」に「望ましい」と書いてあることを評価しないなら、それは「スタンダード」に沿った審査とは言えないでしょうし、ジャッジやブリーダーが「ホワイトタミーは必要ない」と言ったなら、風上にも置けない”妄言”であると言わざるを得ません。
誰がどんな個人的な解釈や見解を話しても自由ですが、全ての解釈や意見、見解は全て、「ルールやスタンダードにこう書いてある」ということが大原則であり、大前提であることを、全てのTICAアジアメンバーは肝に銘じなければなりません。
始めに戻りますが、「誰がああ言った」とか「こう言った」ではなく、あくまで「スタンダードにこう書いてある」「こうは書いていない」ということを根本としなければ、いくら勉強会やセミナーを開いても真の勉強にはなりません。
そうしないと、結局は「スタンダード」を捻じ曲げて自分に都合良く解釈する説明に踊らされ、”大恥”をさらすだけになってしまうのです。
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