あなたの隣にいる”アイヒマン”
「差別と排他主義」「事実を歪曲し正当化する権力者」。そして、それを座視し追認して恥じない周囲の人々の深い頽廃--。
歴史を振り返る時、そこに生まれたのはナチスであり、ヒトラーでしたが、恐ろしいのはそれだけではありませんでした。
ナチスにおいてユダヤ人大量虐殺の実行責任者であったアイヒマンが、決して”悪の権化”ではなく、「思考の欠如したただの凡庸な男」であることが分かった時、明らかになったのは、無思考で体制順応な生き方をする誰もが、アイヒマンになり得るという恐ろしい事実でした。
組織でも団体でも、自ら「ルール」を確認しようとせず、己れの頭で考えず、トップや組織の言いなりになる人物もまた、現代の”アイヒマン”に容易になり得るということを、本人も周囲も気付かねばなりません。