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2014年2月20日 (木)

「裸の王様」の教訓を改めて考える

「王様の耳はロバの耳」に続いて、アンデルセンの有名な童話「裸の王様」についても、その物語と教訓を改めて確認したいと思います。

正確には「下着の王様」だということをご存知でしょうか? 王様は真っ裸ではなく、下着だけは着けていました。

さて、物語です。主人公は新しい服が大好きな王様。その王様の所に、「布職人」と名乗る2人組の詐欺師がやって来ます。彼らは「バカで愚かな人には決して見えない不思議な布地を織ることが出来る」というのです。

王様は大喜び。さっそくこの布を注文して服を作らせます。ある日、王様は仕事場に布の出来栄えを見に行きましたが、目の前にあるはずの布地が王様の目には見えません。

王様は狼狽しますが、家来たちの手前、「見えない」と本当の事は言えず、見えもしない布地を褒めるしかありませんでした。家来は家来で、自分たちにも見えないのですが、そうとは言い出せず、王様と同じように衣装を褒めました。

王様は結局、見えもしない衣装を身にまとってパレードに臨みました。見物人も「自分がバカで愚かと思われてはかなわない」と思い、衣装を誉めちぎりますが、その中で小さな子供のひとりが、「王様は裸(下着)だ!」と叫んだのです。

「やっぱり何も身に着けていなかったんだ。自分はバカで愚かでない」と気付いた観衆は口々に「王様は裸だ!」と叫びましたが、王様一行はパレードを続けるほかありませんでした、という話です。

誰もが一度は聞いたことがある物語だと思いますが、その教訓についてはっきりと説明できる方はどれだけいらっしゃるでしょうか? 実はかなり様々な教訓を含んでいます。

まず、王様です。2人の詐欺師にまんまと騙されるわけですが、それは自分でしっかり考え、判断することが出来ないことの愚かさを戒めています。

「無知の知」という言葉がありますが、王様に「自分は何も知らない人間である」という謙虚な気持ちがあれば、つまり王様に「自分はバカで愚かな面もある」という自覚があれば、仕事場に行った段階で見抜けるはずでした。

次に家来です。誰も真実を王様に語ろうとしませんでした。「指摘しない」「指摘出来ない」人たち。そして王様はしっかり指摘できる人をそばに置かない。つまり、自分にとって敢えて苦言を呈してくれる人を置くことの重要さを戒めています。

「服」を、その人間の「資質」「能力」「実力」などと読み替えれば、教訓の意義はもっと分かりやすくなるでしょう。資質も能力も実力もないにもかかわらず、あると思い込み、取り巻き連中もそれに異議を唱えず、褒めそやす。

「裸の王様」は、周囲からの批判や反対を受け入れないために、真実が見えなくなっている人の例えで使いますが、本人にそうした自覚が一切ないことも含めて、どこかのディレクターとそっくりではないでしょうか?

そして「王様は裸だ!」と叫んだ子供です。これは何を戒めているのでしょうか? 結局、真実を語れるのは利害関係のない子供だけだと言うことなのです。併せて無垢な子供のように嘘偽りない助言をくれる人物を置くことの重要性も訴えています。

猫の世界もある意味、同じでしょう。クラブ、あるいはクラブのジャッジから恩恵を受けているクラブ員には真実を語れません。真実を語ったら、猫の成績が悪くなると思うからです。

ここから先は教養編になりますが、似たような逆説的な故事が中国の「史記」にあります。秦の2代皇帝「胡亥」の時代。宦官の趙高は謀反を企み、家来たちが自分の敵か味方かを判別するため一策を案じました。

彼は宮中に鹿を呼び入れ、皇帝に「実に珍しい馬が手に入りました」と献じたのです。皇帝が「これは鹿ではないのか?」と尋ねましたが、趙高が皇帝の左右に座る家来に『これは馬に相違あるまい?』と聞くと、彼を恐れる者は「馬です」と言い、彼を恐れぬ気骨ある家来は「いや、それは鹿です」と答えました。

それを聞き、趙高は「鹿です」と答えた家来を全て殺しました。中国4000年の歴史を感じさせる故事ですが、一説では日本語の「バカ(馬鹿)」はこの「鹿を指して馬という」という中国の故事から由来しているとも言われています。

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