「表紙」だけ変えても意味がない
「本の中身を変えず、表紙だけ変えても意味がない」。これは自民党の故伊東正義氏が首相就任を請われて、断った際の有名な言葉です。首相になりたくてなれなかった人は多くいますが、首相になって欲しいと言われて断ったのは彼だけと言われています。
私が60の公約を通じて訴え続けてきたのも、これら60の公約こそTICAアジアの中身を変えるために必要な施策と信じたからに他なりません。何をどう変えるかこそが問われていたのであり、「表紙」が変わること自体に大した意味はないはずです。
伊東氏は政治資金パーティーは開かず、勲章も断り、大平首相が急死して首相臨時代理になった後も官邸の首相執務室は決して使おうとしませんでした。彼の自宅はバブル経済の頃でさえ、雨漏りするほど生活は質素だったと伝えられています。
こうした人物でなければ組織の「中身」まで変えることはできないのかもしれません。