権力に阿(おもね)らない生き様
今年の流行語大賞にも選ばれた「倍返し」。日本のTVドラマ史上、空前の視聴率を弾き出した「半沢直樹」の決めセリフですが、この部分だけがクローズアップされているようでちょっと残念です。
と言うのも、このドラマが読者の心を捉えたのは「倍返し」そのものにあるのではないと思うからです。なんと言っても、自己保身のために権力に阿(おもね)らない生き様、正義を通そうとする姿にあるのではないでしょうか。
このドラマについて「最後のバンカー」の異名を持つ住友銀行元頭取、西川善文氏のあるインタビューでのコメントが印象的でした。イトマン事件を振り返りながら、「半沢直樹はまだまし。かつての銀行では命を脅かされるような理不尽があった」…。
では生命の危険すらある「理不尽」にどうして立ち向かえたのか? 西川氏が指摘したのは「腹をくくる」ことでした。
TICAアジアを真の意味で再生するためにはメンバーひとりひとりが「腹をくくる」必要がありました。自分のこと、それも目先の利益だけを考えて右往左往しているメンバーがいるようでは「理不尽」に立ち向かえなどしないのです。