「親切心」が却って「仇」になる不思議
またひとつ、私の耳に残念な話が聞こえてきました。あるショーでルール違反の疑いがあるため、出陳者が当事者のひとりに親切心から指摘しました。何回かメールでやり取りしたようですが、その当事者は最後に「私とは住む世界が違います。いつまでも交わるところがない不毛な意見の言い合いになる」と言ってきたというのです。
この出陳者は「できるだけ事を荒立てず、内々に済まそうとした親切心が却って仇になった」と嘆いていました。私もどうしてこうなるのか不思議でなりません。なぜなら、仮に私が当事者で、もし誰かにルール違反の疑いを指摘されたらこう返信したと思うからです。
「このたびは貴重なご指摘をありがとうございました。ルールを改めて確認したうえで、関係者とも至急相談し、適切な対応を取らせて頂きたいと思います。私としてもこうしたご指摘を頂くことはTICAのルールに対する理解を深めるうえで大変、勉強になります。今後ともよろしくお願い致します」
外交も同じですが、たとえ議論が平行線でも「対話のドア」は決して一方的に閉ざしてはならないと私は思っています。アジアのメンバー全員がTICAルールの知識を深めるためにも、もっと多くの議論が必要だと思っていただけに、今回の出来事は残念でした。